【秋華賞 みどころ】桜の女王ステレンボッシュ、樫の女王チェルヴィニア 秋の京都を彩る2つの “激突”
秋華賞と言えば、「激突」という言葉が最も似合うGIである。 3歳牝馬クラシック最後の一冠となって間もなく30年ほどの月日が経つレースだが、その歴史を紐解くと最後の一冠を目指す乙女たちが火花を散らし合ってきたことがわかる。 【予想配信】牝馬三冠最終戦「秋華賞」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円!冨田有紀&三嶋まりえ 例えば、2007年。終生のライバルとも言えるウオッカとダイワスカーレットの2強対決となったが、この時は先行してペースを掴んだダイワスカーレットがダービー馬・ウオッカの追撃を封じて、桜花賞との牝馬2冠を達成してみせた。 その2年後の2009年は牝馬三冠制覇を目指すブエナビスタと桜花賞、オークスともに2着に終わったレッドディザイアのマッチレース。 ここでも一足早く仕掛けたレッドディザイアがブエナビスタの猛追をハナ差凌いでリベンジを果たした。 さらに2012年もジェンティルドンナとヴィルシーナも同じように接戦を繰り広げ、ジェンティルドンナがハナ差先着して、トリプルティアラを達成してみせた。
振り返れば、数々の激突が歴史を彩ってきた秋華賞。今年も2頭の女王が最後の一冠を目指してやってきた。 まずは桜の女王、ステレンボッシュだ。 デビュー前から「世代屈指のポテンシャルの持ち主」と評された彼女。 牝馬にとっての出世レースである赤松賞を制して阪神JF(GI)に臨み、アスコリピチェーノの2着に健闘。 敗れたとはいえ、上がり3ハロンではメンバー最速となる33秒5という末脚を繰り出すなど、スケールの大きさばかりが印象に残った。 そんな彼女が輝いたのは3歳緒戦となった桜花賞(GI)。阪神JF時の敗因を「エンジンの掛かりが遅かったこと」と考えた鞍上の戸崎圭太は同じ轍を踏まないとばかりに、レースでは出遅れながらもライバルたちよりもいち早くスパートをかけたことで見事に桜の女王の座に君臨。 その堂々たる走りは名伯楽・国枝栄に「アパパネ、アーモンドアイの時と遜色ない走り」と言わしめるほどだった。 続くオークスはレース中に落鉄するというアクシデントがあったにもかかわらず、直線では一時先頭に立つという堂々たる走りを見せて2着に惜敗。もしも落鉄せずに走れていたら二冠達成も十分にあり得たほどの好内容だった。 世代のトップに上り詰めた春からひと夏を越えて迎える秋緒戦の秋華賞は先輩三冠牝馬であるアパパネやアーモンドアイなどが経験した栗東滞在を経て迎える。牝馬二冠に向けて、準備は万全に整ったと言えるだろう。