佐々木朗希(23歳)のメジャー移籍に“モヤモヤ”が残る理由…ロッテ入団5年でポスティングを容認したのは何故? その背景には何があったのか
ポステティング移籍の制限を検討すべき
だからNPBはポスティング制度での移籍に、何らかの制限をかけることを早急に検討すべきだろう。 現行の海外フリーエージェント(FA)の権利取得まで9年というのはあまりに長すぎる。いまや実績を残した選手のメジャー志向は止めようもない流れで、そこにポスティング制度ができた背景があった。海外FAを獲得する前にポスティング移籍を認めれば、球団は譲渡金を受け取り、それを選手が抜けた戦力ダウンを補うための補強費にも当てられる。 そこにファンも納得できる。 今更、海外FAの取得期間の短縮などは現実的ではない。選手にとっても球団にとっても、ポスティング制度をいかに有効的な移籍手段としていくかが焦点となっていく流れだ。そこに今回の佐々木の移籍は、一石を投じるものだった。 実際に佐々木とロッテの間に“密約”があったかどうかは闇の中だが、そういう事態への対策としてはポスティング制度にも選手が申請できる権利取得に条件をつけることだ。 MLBでは選手の保有権は基本的に6年ある。これに倣って入団年数にするのか。ただあくまで個人的な意見を言えば、年数よりも実績の方が球団も選手も納得しやすいように思う。例えば投手なら500イニング以上、打者なら2000~2500打席以上などの一軍実績を残したらポスティング移籍を球団に申請できる、その上で球団が移籍を認めたら正式にポスティングにかけられる。それくらいの制限も仕方ないのではないだろうか。 いま球界が考えなければならないのは、まさにその問題なのである。 今回の騒動とは別に移籍を果たした佐々木には、とにかく成功して欲しい。日本でこれしか投げられていないのだから体力的にムリだとか、故障の危険性があるから移籍は時期尚早だ、という否定論は大きなお世話である。移籍を果たしたなら、そこからは佐々木が自分の責任で歩む道であり、成功を目指してただひたすら努力するだけだからだ。 「一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」 移籍を容認された際に球団から発表された佐々木のコメントだ。その言葉通りに世界一の選手になって欲しい。 いまはそれを願うばかりである。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
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