佳子さまが30歳に「誰もが安心して暮らせる社会に」被災地や障害者に寄せる思い 誕生日迎え1年を振り返る【全文】
9月
日本工芸会等が主催する「第71回日本伝統工芸展」の展示をご覧になった後、授賞式とレセプションに出席され、作家と懇談されました。 日本工芸会に関しては、工芸会の7つの部門のうち、この1年間で開催された4つの部門(1月と12月に漆芸、5月に染織と陶芸、6月に金工)の部会展もご覧になりました。 内親王殿下は、伝統工芸の作品をご覧になるたびに、古くから続く精緻な技術を活かしつつ、現代に生きる人々にとって魅力的な作品を生み出す創造性に惹かれるとおっしゃっています。 鳥取県で開催された「第11回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に出席されました。 交流会では、大会に出場する全チームの代表者や大会関係者と懇談されました。 本大会では手話でお言葉を述べられ、コントやダンス、演劇などのパフォーマンスを、観客とともに笑ったり、美しさに見入ったり、演者が社会に伝えたいことを感じたりされながらご覧になりました。 出場校同士で繋がりができるなど、この催しをきっかけに交流の輪が広がっていることも嬉しく思われたと伺いました。 また、「植田正治写真美術館」では、作品と館内施設をご覧になり、写真を学ぶ地元の高校生と交流されました。 障害のある人の就労継続支援等を行う施設「地域活動支援センターおおぞら」では、「りっぷる音楽団」による演奏を楽しまれ、音楽団の方々と懇談されました。演奏・歌の力強い響き、この日にむけて多くの準備をしてくださったこと、長きにわたり施設や音楽団を支えてこられた関係者の努力に、深く心を打たれたとお聞きしています。
10月
「ガールズメッセ2024」にご出席になり、暴力をなくすための活動や、防災の重要性を伝える活動など、社会をよくすることを目指した取組を行っている受賞者と懇談されました。 お言葉では、「より良い社会を目指して真摯に考え、声をあげ行動を続けることは、とてもエネルギーを要し、勇気がいると思います。皆様の活動を知ることで、『自分もできるのではないか』という気持ちになり、真摯に考え、行動を起こす人もいるかもしれません。これからも、こうした連鎖が広がっていくことを願っています。」と述べられました。 「有明テニスの森」で開催された、2つのテニスの試合を観戦されました。いずれも、力強いプレーに圧倒されながら、熱心に応援されました。 10月は、佐賀県を2度訪問されました。 「第78回国民スポーツ大会」では、スポーツクライミング競技と陸上競技を観戦され、総合閉会式に出席されました。 「第23回全国障害者スポーツ大会」では、バレーボール競技と車椅子バスケットボール競技を観戦されました。 参加者が力を合わせて作りあげた閉会式とそれぞれの競技の熱気が思い出に残っていると伺いました。 併せて、佐賀県の様々な施設を訪問されました。「佐賀県立九州陶磁文化館」では有田焼の歴史や美しさが、「唐津市曳山展示場」では「曳山」とお囃子の迫力が印象的だったとお聞きしました。 「佐賀県立ろう学校」では打楽器の演奏や工芸・被服の作品を、「障害福祉サービス事業所PICFA」では美術作品をご覧になりました。 「佐賀星生学園」では自分の強みをみつける活動や演劇・ダンス・手話の発表、「佐賀県立視覚障害者情報・交流センター」では手芸作品の展示やオカリナとギターの演奏がありました。 いずれの施設についても、生徒や利用者との交流が心に残り、施設の運営に関わる職員やボランティアに敬意をお持ちになっていらっしゃいます。 岐阜県を訪問されました。 「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」で、「国際陶磁器展美濃」と「アール・ブリュット美濃展」を、時折作家とお話になりながらご覧になり、作家が作品に込めた思いを深く感じたり、作品の斬新さや独創性に驚いたりされながら、魅力あふれる作品の数々を鑑賞されました。 また、「モザイクタイルミュージアム」では小さな色とりどりの陶片が広がる世界を楽しまれ、「織部の里公園」では大きな登窯や出土品の陶器を関心深くご覧になりました。 ご訪問を通して、美濃焼自体の美しさに加え、空間の味わいを深めたり、食事やお茶を更においしく感じさせたりする、美濃焼の多様な魅力に気付かれたとお聞きしました。 石川県を訪問され、石川県の著名な伝統工芸作家とお会いになり、「第71回日本伝統工芸展金沢展」をご覧になりました。 お会いになった作家の中には、1月の地震や9月の豪雨により被災した方もいらっしゃいました。 内親王殿下は、お見舞いの気持ちをお伝えになり、その後も度々にお会いになった方々のことを思い出され、お身体を大事に過ごされているよう願っていらっしゃいます。 そして、一つ一つの素晴らしい作品とそこに作家が込めた深い思いや、地域を大切に思う心が胸に残っていらっしゃると伺いました。 その後、「石川県文化財保存修復工房」で、古文書や古地図などの文化財を修復する緻密な作業に見入っていらっしゃいました。 また、「国立工芸館」では、独創的な工芸作品を鑑賞され、それを活かす展示の工夫等について興味深くお聞きになりました。 内親王殿下は、これまでも折に触れて石川県で作られた伝統工芸をご覧になり、その美しさを感じてこられました。今回その地を訪れ、作家にお会いしたり、伝統工芸に関連する場所を見学されたりしたことを、とてもありがたく思われています。