トランプが《性格反対》の石破に心を開く「たった一つの可能性」…!ゴルフよりも重要視されている「2人の意外な共通点」
日本の製造業が大ピンチ
アメリカ第一主義を掲げるトランプは、安価な外国製品の流入を阻止するために、関税を課す方針である。中国からの輸入品には60%、その他の国からは10~20%の関税をかけるという。 中国政府は、第一次トランプ政権のときのような「貿易戦争の再来か?」と、身構えている。中国の昨年の対米輸出額は5000億ドルを超えており、国別では最大で、2位日本の3倍である。因みに、3位韓国、4位ベトナム、5位インド、6位ロシア、7位ドイツ、8位オランダ、9位マレーシア、10位イギリスという順になっている。中国のアメリカからの輸入額は輸出額の3分の1程度である。 トランプの言う60%という関税が実施に移されれば、今は5%程度の中国のGDP成長率が1年以内に半減すると予想されている。 中国ほどの影響は受けないにしても、自動車業界をはじめとする日本の製造業もトランプの保護関税政策は大きな障害となる。 石破は、貿易戦争の回避について、トランプとどのような交渉ができるのであろうか。石破は安全保障の専門家ではあるが、経済や貿易の分野は得意ではない。ビジネスマン出身のトランプは、外交交渉についても取引(ディール)という視点から行う。そして、原則は「アメリカ第一」である。そのトランプとの経済交渉は、石破にとっては厳しいものとなろう。 昨年12月、日本製鉄はUSスチールを買収することで、両社で合意したが、トランプはこの買収に反対の意見を述べてきた。日本製鉄は、バイデン政権の下で、年末までに買収が完了するという見通しを示しているが、そうなるかどうかはまだ分からない。
福音派からの支持を受けて
かつて、アメリカはWASPの国だと言われた。WASPとはWhite(白人)、Anglo-Saxon(アングロ・サクソン)、Protestant(プロテスタント)の頭文字である。建国以来、アメリカを支配してきた集団である。 第二次世界大戦後は、人種的にも宗教的にも多様性が増し、もはやWASPという表現が使われることはなくなった。黒人のオバマ大統領が誕生し、ケネディ大統領もバイデン大統領もカトリック教徒である。 しかし、宗教的にはプロテスタントが最大宗派である状況は続いている。2020年の統計によると、プロテスタントが42%、カトリックが21%、無宗教が18%、モルモン教が2%、ユダヤ教が1%、イスラム教が1%、ヒンドゥー教が1%、仏教が1%、正教会が0.5%である。キリスト教が約8割であり、建国の経緯からもアメリカは「キリスト教の国」である。なかでも、プロテスタントが主流である。 プロテスタントの一宗派であるキリスト教福音派はアメリカ国民の4分の1を占めるアメリカ最大の宗教勢力である。 トランプは、大統領在任中に連邦最高裁に3人の保守派判事を送り込んだ。その結果、保守派判事が過半数を占め、2022年6月、妊娠中絶を憲法上の権利と認めた判決(ロウ対ウェード判決)を49年ぶりに覆した。トランプは、これは保守派の判事を任命した自分の業績だと、福音派にアピールした。 また、ゴラン高原のイスラエル支配を認め、米大使館をエルサレムに移したことは、イスラエルのみならず、福音派の人々を喜ばせることになった。福音派は、「ユダヤ人国家イスラエルは神の意志で建国された」と考えており、イスラエルを支援している。 妊娠中絶反対、イスラエル支持という2点について、トランプが大きな成果を上げたとして、その功績を福音派は高く評価している。今回の選挙では、福音派の8割がトランプに投票している。