大人の“きゅん”木村佳乃、吉田羊、仲里依紗「恋する母たち」佳境へ
木村佳乃主演ドラマ「恋する母たち」(TBS系、金曜22時)は、木村、吉田羊、仲里依紗の3人の競演が大きな見どころであると同時に、それぞれの相手役である小泉孝太郎、磯村勇斗、阿部サダヲら男優陣の充実ぶりも作品の屋台骨を支える。また、松任谷由実が歌う主題歌「知らないどうし」も演出を盛り上げる。見どころの多い大人のラブストーリーだ。
ドラマはこれから佳境へ
原作は柴門ふみ氏による同名コミックで、脚本は大石静氏が手がけている。「東京ラブストーリー」などの柴門氏が恋愛マンガのカリスマなら、大石氏もオリジナル脚本の「大恋愛~僕を忘れる君と」をはじめ、数々の名作を送り出してきた“恋愛の名手”。今作は同じ名門進学高校に通う息子を持つ3人の母親の恋愛や友情が描かれるラブストーリーで、木村、吉田、仲が三者三様の恋愛模様を個性的な演技で一つの物語に集約させている。 木村が演じる主人公の石渡杏(いしわたり・あん)は旅行代理店で働く夫・慎吾(渋川清彦)と一人息子・研(藤原大祐)の3人で幸せな生活を送っていたが、夫の失踪から人生が一変、シングルマザーとして息子を育て上げ、名門進学校に入学させた。 吉田が演じる林優子(はやし・ゆうこ)はバリバリのキャリアで、夫のシゲオ(矢作兼)は売れない小説家で主夫。息子の大介(奥平大兼)は名門校に入学できたものの、長らく引きこもり生活をしている。 そして仲が演じるのは、2人と同じ名門校に通う長男を持つ蒲原まり(かんばら・まり)。長男・繁秋(宮世琉弥)のほか2人の娘を持つ3児の母で、夫・繁樹(玉置玲央)は法律事務所の代表とエリート。超高級なタワーマンションに住み人も羨むセレブ生活を送るが、実は繁樹の不倫に悩まされている。 世の中、隣の芝生は青く見えるというが、一見して順風満帆な生活を送っているように見えてどんな家庭も現実にはさまざまな事情を抱えているもの。ドラマはその事情を巧みに描く。3人の母親たちを魅了する3人の男。まり(仲)を押しまくって誘惑する人気落語家・今昔亭丸太郎役に阿部サダヲ、杏(木村)の夫が駆け落ちした相手の夫・斉木巧役に小泉孝太郎、優子(吉田)の気持ちを揺さぶる後輩社員・赤坂剛役に磯村勇斗。彼ら3人の男性がそれぞれ意中の女性3人の心の隙間にどう入り込んでいくのか、大人の“きゅん”を感じさせるラブストーリーになっている。 (以下、ネタバレあります) ドラマはすでに7話まで進んでいるが、順風満帆どころか波乱万丈の物語が展開され、これから佳境へ入るところ。4日放送の第7話「君と子どもを一生守る!」では、一度は別れた杏(木村)と斉木(小泉)だったが、ついに結婚。一方、不倫相手の女性・山下のり子(森田望智)の復讐ですべてを失ってしまった蒲原家は繁樹が弁護士業務停止処分を受けたことから事務所をたたみ、タワーマンションからの引っ越しを余儀なくされた。まりは弁当屋でパートを始めたが、持ち前の愛想の良さが仇となってうまく行かない。千葉支店に異動となった優子(吉田)は不慣れな営業に飛び込み奮闘。会議のため東京の本社に久々出社したところで、赤坂(磯村)と遭遇する。 登場人物たちがそれぞれの人生の岐路で何を選ぶのか。今後の展開が楽しみだ。 (文:志和浩司)