次の日本代表 本田、香川はどうなる? アギーレ監督好みの選手とは?
メキシコ代表監督を過去に2度経験しているハビエル・アギーレ氏が日本代表監督に就任した。私は、母国メキシコでの評判や評価を知ろうと旧知のエドムンド・エルナンデス記者に連絡を入れた。同氏は、一般紙「セタ」やスポーツのネットメディアで執筆後、現在フリージャーナリストとして活躍している。 同記者が、初めてアギーレ氏に接したのは1995年。監督としてメキシコ1部リーグのアトランテで初陣に臨んだ日だった。その時アギーレ氏は「私は選手たちにいつも『くそったれ!』という気持ちを忘れるなと言い聞かせている」と語ったという。一言で表現すれば、選手たちのモチベーション高揚が上手な監督といえるだろう。 この発言のように口は悪い。いかにも中年の紳士然としているが、性格は直情径行。普段、選手たちとフレンドリーに接するかと思うと、気性が激しく派手にやり合うこともある。日韓W杯の大会の最中に、FWのフランシスコ・パレンシアと殴り合いのケンカを繰り広げたことは語り草だ。 サッカーの監督は、現役時代の自身のスタイルをピッチで具現化する人が多いといわれる。アギーレ氏も例外ではない。無骨なディフェンダーだったアギーレ氏は、選手時代、テクニックの欠如を旺盛な精神力と努力によって克服した。好みの選手は、ストイックで自己犠牲をいとわないファイタータイプ。2001年、翌年の日韓W杯へ向け、予選敗退の危機に陥ったメキシコ代表を立て直した時も中核に位置したのは地味だが努力を惜しまない選手だった。 日韓大会前に、エルナンデス記者が、アギーレ氏に当時のエース、クアウテモク・ブランコがチームのシステムにマッチするかと質問したところ、こんな答が返ってきた。「ジネディーヌ・ジダンやルイス・フィーゴのようなスター選手でもディフェンスをサポートする。ブランコにできないわけないだろう。私が召集した全選手は、『この野郎!』という肝っ玉を見せなければならないんだ」。