怪談中の高校生の前に靴下姿で駆けてきた体操服の女の子「え、幽霊じゃないよね」…連携プレーで迷子を保護
その結果、保育所の子どもではないことがわかり、警察の到着を待っていた午後7時頃、駅に女の子の父親が必死に名前を叫びながら、駆け込んできた。娘と対面した父親が「死んでしまったかと思った」と声を震わせると、女の子は再び涙を流し、父親と抱き合った。女の子にけがはなかった。
署によると、女の子は家で寝ていて目を覚ました際、近くに保護者の姿が見えず、不安で外に駆け出してしまったという。保護者はたまたま別の部屋におり、女の子がいなくなったことに気づくと、慌てて警察に連絡し、辺りを捜し回っていた。
21日の感謝状贈呈式で、浅野健一署長は「大きな事件事故に巻き込まれず、保護者の元に子どもが帰れたのは3人のおかげ。感謝しかない」とたたえた。
将来の夢は保育士だという窪田さんは「今となっては『もう少しこうすればよかったかな』と反省する面もある。今回の経験を生かし、子どもの心に寄り添える素敵な保育士になりたい」と笑顔を見せた。
早川さんは「女の子が無事で何より。仕事より人助けを優先できる紅井さんのように、これからも人命を大切にしたい。(すぐに色々な人が駆けつける)富山って、いい街ですね」と話した。紅井さんは「みんな助け合いの心を持っている。お年寄りを含め、これからも積極的に声をかけて、地域を見守りたい」と意気込んだ。
自分が助けないと事故に巻き込まれてしまうと思った――。富山市内では、路上で泣いていた小学生の女の子を、龍谷富山高校1年の速見悠さん(16)が保護した。
速見さんは9月13日夜、牛丼店で夕食を食べようと、幹線道路沿いを自転車で走っていた。店まで約800メートルに迫った午後7時10分頃、歩道でむせび泣く女の子を見つけた。
一度は通り過ぎたが、しゃがみ込む姿に違和感を覚え、「放っておけない」と、すぐに戻った。「家わかるん、大丈夫け?」と声をかけると、女の子は次第に自分が置かれた状況を説明。速見さんは110番し、警察官が到着するまで付き添った。