77歳の新人芸人・おばあちゃん「腰パン、食べてみたい」と言ったら同級生から笑われて…キャリーケースに詰めこんだお煎餅を若い学生へ配り歩く理由とは
71歳で吉本の芸人養成所であるNSC(吉本総合芸能学院)に入学。お笑い芸人となった「おばあちゃん」。77歳となった現在、芸歴5年の「新人」として月に3回、東京・神保町にあるよしもと漫才劇場の舞台に立っています。過去には乳がんや卵巣がんを患った経験もあり、NSC在学中には夫の看病や実兄の介護に追われたことも…。それでも夢を諦めず、いまや“国民的おばあちゃん”として人気に。いったい何がそのパワーの源になっているのでしょうか。これまで歩んできた道のりを振り返りつつ、いくつになっても人生を楽しみながら過ごす秘訣を伺いました。(全3回/第2回。構成◎内山靖子 撮影◎本社 奥西義和) 【写真】キャリーバッグを開けると、そこには… * * * * * * * ◆若い世代からたくさんのエネルギーをもらって 吉本の芸人養成所であるNSC(吉本総合芸能学院)に入学して、若い子たちに囲まれて勉強する生活はとっても楽しかったですよ。 「今どきの若者は…」って、高齢者は眉をひそめてばかりですけど、NSCに通っている若者たちは本当に素晴らしい! 売れるか売れないか、将来の保証もない。そんな中で、それでも「芸人になりたい」という夢を持って必死に勉強している。 親に反対されたり、それこそ3食満足に食べられない生活をしている子もいます。だけど、みんな自分の夢をかなえるために精一杯頑張っている。そのエネルギーたるやハンパじゃない。 そんな彼らからたくさんのエネルギーをもらうことができました。
◆腰パン、私も食べてみたい とはいえ、私とは孫ほどの年齢差がある子たちですから、授業の合間におしゃべりしていても、知らない言葉がポンポン飛び出してくる。 たとえば、「腰パン」。最初に耳にしたとき、「へえ、どんなパンなんだろう?」と思って、「どこに売ってるの。私も食べてみたい」って言ったら、ゲラゲラ笑われました。 でも、それもまた一興です。笑いながらも、「あのね、腰パンっていうのはズボンを腰までズリ下げて履くファッションのこと」ってみんなが教えてくれるから。 私たちくらいの年代になると、若い人にものを尋ねるのは恥ずかしいという人も多いでしょう。でも、知ったかぶりをしたところで、どうせ化けの皮がはがれちゃうんだから、「それは何? 教えて」と先に皮をはがしておけばいいんです。 私は偉くもないしプライドもない。だから、平気で「教えて」って言えちゃうのかもしれません。
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