77歳の新人芸人・おばあちゃん「腰パン、食べてみたい」と言ったら同級生から笑われて…キャリーケースに詰めこんだお煎餅を若い学生へ配り歩く理由とは
◆おせんべいでコミュニケーション そんな若い子たちに少しでも喜んでもらいたいと思って、学校や劇場での私は「おせんべい配りおばあちゃん」。 もともとは、NSC時代にリュックサックに色々なお菓子をパンパンに詰めて学校に行き、同期の子たちに配っていたんです。 私は戦後の物がない時代に生まれたので、自分の周りにお腹をすかせている人がいると気の毒だなぁと思っちゃうんですよ。 若い頃に会社勤めをしていたときも、うちで夕飯に食べるカレーをわざとたくさん作って、翌日、カレーのお鍋を会社に持って行き、お給料日前で金欠の若い社員の子たちによく振舞っていたものです。 NSCの学生の中にはそれこそ食費を切り詰めている子もいるので、おせっかいかもしれないけれど、おせんべいでも小腹が満たされるんじゃないかと思ってね。 膝が悪い私が大荷物を抱えて学校の階段を上っていると、「持ってあげるよ」と手を貸してくれることもしょっちゅうだったので、みんなへのささやかなお礼の意味もありました。 学校を卒業して芸人になってからも、劇場に行くときは必ずおせんべいを持って行き、控室のテーブルの上に置いときます。 さすがにこの年齢なので、私は後輩の若い子たちを飲みに連れて行くことはできません。でも、劇場では色々とお世話になるのが常ですから、せめてものお礼に何かしたい。それで、おせんべいを持って行くんです。
◆三幸製菓のおせんべいが好評です きちんと数えたことはないですが、だいたいひと月に50袋くらい。 新潟の三幸製菓のおせんべいが一番評判もよかったので、今はもっぱらこれ。 ちなみに、おせんべいを補充して、管理するのはうちのお父さんの役目です。 タンスの上を空っぽにしておいて、賞味期限の早い順からズラーッとおせんべいの袋を並べていく。 で、カレンダーに書いてある私の予定をチェックして、「この日は劇場? じゃあ5袋だね」って賞味期限が近いものから荷物の中に入れてくれる。 最初はチョコレートや飴も持って行っていたんですけど、夏場は暑さで溶けちゃうでしょう? それで、今は1年中、おせんべい。 スーパーで特売の日があると、お父さんがここぞとばかりにまとめ買いしてくれています。(笑) (構成=内山靖子、撮影=奥西義和)
おばあちゃん
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