「辞退させて下さい」ワーママがプロジェクトリーダーを断ったら…思わぬ待遇が待っていた話
「この資料を読んでみてくれないか」
綺麗な装丁のそれは、難しい横文字や漢字がひしめき合っています。 内容は… 先輩と私が1年以上追っている技術導入にガッツリ被っていました。 あっ、分かった! このプロジェクトに我々2人が吸収されるってこと? それは嬉しい。 単発で講習会に行ったり、予算を取って来たりするよりも、組織化された方がやりやすい。 部長が続けます。 「このプロジェクトは3つセクションに分かれて進めることになりました。 1つのリーダーは、うちの部署の村木君にやってもらうことが決まりました。」 村木君って…先輩ですやん! 社内の全部署が集う大型プロジェクト。 凄いじゃないですか!大抜擢じゃないですか! やる~~!! じゃあ、メンバーに私を選んでください。頼みます。 「もうひとつのリーダーに、ぽにさん、君が選ばれた。」
えっ、 えーーーーー 今、何て言った? 『ぽにさん、君が選ばれた』 うっそん。 何をおっしゃるウサギさん。 私は、リーダーとか、キャプテンとか、したことございません。 その他大勢。野次の1人。 国会答弁とかで、「そうだー」とか言っているおっさんのようなもの。 (えっ?そのオッサンもある地域ではリーダーだって?そこは置いておいて~) 「どうだい。村木君やってみないか。」 いつもクールというか、冷静沈着な先輩、何ていうのかな。 「何でもやります」 マジか!! ガラでもない。意欲的じゃん!! なんか、心なしか眼鏡もキラーンってしてる。 「ぽにさんは、どう?やるよね?」 にこやかに話しかける部長。 自分の部署から2人もリーダーが選ばれたことが嬉しいよう。 えっ?私? なんか言わないとー!焦る。 「こっ光栄でふ。」 噛んだわ(汗)。 部長は満足そう。 また詳細は後日連絡をすると言われ、その場で解散となりました。 でもねーどうも不安。 この組織、プロジェクトの監査役に、中堅のギラギラ上を狙っている系の社員が8人ほどついています。 1つのプロジェクトに人数は10人程度選抜させてくれるようですが。 うーん。 これ、きっと、