皇后杯優勝のヴィクトリーナ姫路 初代監督・竹下佳江氏も感慨ひとしお「感謝の気持ちが一番」
バレーボールの日本一を決めるカップ戦、「令和6年度天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」で、ヴィクトリーナ姫路が女子の皇后杯初優勝を果たしました。この偉業について、チームの初代監督で、元日本女子代表セッターの竹下佳江氏(現、ヴィクトリーナ姫路エグゼクティブアドバイザー)が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で感想を述べました。 【写真】監督時代の竹下佳江氏 21日に行われた決勝で、ヴィクトリーナは、前回準優勝のSAGA久光スプリングスと対戦。緊張感漂うなか1・2セットを先取されましたが、後がない状況からチームは奮起。3・4セットを連取し、フルセットに持ち込むと、最終の5セット目では一進一退の攻防の末、15-13で勝ち切り、念願の国内主要大会初タイトルを獲得しました。 試合を振り返って、「身内なので、厳しいことを言うと、1セット目は取って欲しかった。1セット目を取るのは、気持ちの面でも重要なので」と、チームの課題を挙げた、竹下氏。 それでも、「(最初の)2セットを取られても、非常に落ち着いて(得点を)取り返していた。なんというか、『フルセットの戦い方を知っているチーム』で、そういう強さも感じた」と、ヴィクトリーナを表現します。 これは、現在戦っている最中のSVリーグの経験がいきているよう。実際に、前半戦16試合中、8試合でフルセットを経験し、6勝2敗と勝ち越し。今回の皇后杯も、準々決勝で強豪のデンソーエアリービーズにフルセットの末に勝利しており、竹下氏いわく、今のヴィクトリーナは「フルセットを戦って勝つというシーンは多いチーム」。そのうえで、「試合展開において、勝つイメージは重要」(竹下氏)と、決勝でも“得意の”フルセットに持ち込んだことを勝因の1つにあげます。 決勝で印象に残った選手として、竹下氏がピックアップしたのは、今シーズンから加わったブラジル出身のアウトサイドヒッター、アナ・ルイーザ・フヂゲル選手です。2セット目途中からコートに入ると、効果的なアタックやブロックポイントなどでチームに流れを呼び込みました。竹下氏は、彼女の“動き”にも着目します。 「ファイナルになって『あんなに活躍するんだな、この子』となりましたね! 大舞台に動じないで、冷静だったし、打数が多いわけではないですが、かなり良いところに入れていました。ポイントもちゃんと取ってますよね。相手からしたら良い動きで、かなりプレッシャーになっていたんじゃないかなと思います。アナ選手、かなり良かったです。印象に残りましたね」(竹下氏) 2016年から始動した日本初の女子プロバレーボールチームでは初代監督も務めるなど、草創期からヴィクトリーナを見続けた竹下氏。今回のタイトル獲得に「選手たちと現場のスタッフさんたちに、『ありがとう!』という感謝の気持ちが一番」と、感慨ひとしおの様子。 「“姫路から世界に向けて”という形で立ち上げたチームで、最初は本当に何もないところから始めているので……。最初は本当に何もなかったし、そんな中で『世界へ』や『日本一』というのは、夢のまた夢だったわけで。そんな当時からいた、櫻井(美紀選手)、田中(咲希選手)、貞包(里穂コーチ、昨シーズンまでヴィクトリーナの選手)……彼女たちがまだいるなかで、こうやって今回優勝できたのはかなりうれしい」と、竹下氏の指揮官時代の教え子たちの成長にも顔をほころばせていました。 さらに、竹下氏は、「それと同時に、すごくいろんなことを思い出しちゃって……。(チーム始動当時)スポンサー周りへの営業へ行ったことや、(時に)断られたこともあったが、そんな中でも、大企業さんが『姫路のチーム盛り上げよう!』と最初から応援してくれていたり……。チームとして弱いときから支えてもらってたことを考えても、選手、スタッフ、スポンサーの皆様、ファンの皆様に本当に感謝しかないです」と、改めてヴィクトリーナを支えてきたすべての関係者に感謝の思いを述べていました。 ※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』2024年12月23日放送回より
ラジオ関西