高級食材の黒トリュフ、人工栽培に成功 国内2例目、山梨県の森林総合研など
山梨県森林総合研究所などのグループは1日、高級食材として知られる黒トリュフの人工的な発生に成功したと発表した。昨年成功した岐阜県の森林研究所などに続いて国内2例目。だが、発生個数、重量は国内最大となった。山梨県では栽培技術を確立し、将来的には県産黒トリュフの拡大を目指す考えだ。 黒トリュフは国内でも自生しているものの、極めて少なく、中国や欧州からの輸入に頼っているのが実情だ。 山梨県森林総合研究所では平成30年に国内自生のトリュフの菌をつけたクリの苗木30本を北杜市内に植えて人工的にトリュフをつくることができるかの試験を始めた。植栽6年目の今年9月に3本の木のそばの地表面から直径2・2センチから4・1センチの12個のトリュフが生えていることを確認した。総重量は200グラム。 岐阜県ではコナラの苗木を使って植栽7年目の昨年、2個のトリュフの発生を確認した。 トリュフはマツタケ同様に生きた樹木の根と共生するため、人工的に栽培するのは極めて難しいとされる。山梨県森林総合研究所では、来年も同じ植栽木から発生するかの再現性の確認や、菌をつける手法や発生条件の分析などを進める。将来的には世界三大珍味の1つであるトリュフの人工栽培の方法を開発したいとしている。