西野亮廣が着る、“染まらない”オトコのスタイル PART1
── その発想はありませんでした! LEONにはどんな印象がありますか? 西野 LEONの面白さは「俺たちの思う“カッコいい”はこれ」とズバッと言い切っているところだと思うんです。偏愛というか、エゴじゃないですか。それが圧倒的に強いですよね。スマホさえあればいくらでも情報が手に入る今、自分の好きなものを見せて、「この指とまれ」をしたい人は多いけど、なかなかうまくいかないわけで。 たくさんの人を惹きつけられているLEONはすごいです。90年代にブームになった渋谷のコギャルのガングロやルーズソックスも同じで、周りから何を言われても好きなものは好きと言い切って、結果そこに人が集まってきた。機能を売ったわけではなく、自然発生的な文化がいわば商品になるって、なかなかできることじゃないし憧れますね。 ── なるほど。LEONとコギャルに共通点があるとは(笑)。 西野 前に作品と商品の違いについて考えたことがあって。その違いはマーケティングが先にあるかどうかだと思うんですよね。世間のニーズの調査があって、そこに球を投げているのが商品。対して、もうつくりたくて、つくりたくてたまらなくて生まれるのが作品。できちゃったものの、このままだと誰にも届かないから、なんとか届けようとあの手この手を考える。 どっちが偉いとかはないけれど、どっちが好きかと言われれば、やっぱり僕は作品的なアプローチをしている方が好きで、LEONは絶対にそっち側、つまり作品だと思うんです。 ── ありがとうございます。西野さんの手がけた絵本『えんとつ町のプペル』も、作品的なアプローチですよね? 西野 そうですね。煙突掃除屋の少年とゴミ人間の物語なんて、どこにニーズがあるんだよって(笑)。でも、作っちゃったから、届けるためにジタバタしましたね。映画化した時にも、恋愛要素を入れたら? とか、もっと食事シーンやバトルシーンを入れた方がいいとか、めっちゃ言われたんですけれど、それは僕が本当にやりたいことではないと思って、ガン無視したんです。 製作委員会には「お金だけ出してもらって、口は出さないでください」とお願いして、好き勝手にやらせてもらって。結果的にはそんな映画だからこそ、沢山の人たちに受け入れてもらえて結果大ヒットにも繋がった。そうやってできた作品が、好きなんですよね。 ※掲載商品はすべて税込み価格です