“ぶっ飛び系”や“激飛び系”も登場!? プロや上級者はなぜ使わない? ストロングロフトアイアンが向いている人とは?
近年、アイアンのロフトは全体的に立っている傾向にあります。10年以上前の7番アイアンのロフトは34度付近が主流だったのですが、現在は30度前後のものが多く、中には25度など極端に立っているものも存在します。もちろんロフトが立っている方が飛距離を稼げるというメリットはありますが、必ずしもいいことばかりではありません。今回は「飛び系」といわれるアイアンの特徴と自分に合う適正ロフトの選び方をご紹介しようと思います。 【ビシッと伸びた左腕!】これがカッコいいフォローが決まる片手打ち練習のやり方です
ロフトが立っている方が飛距離を稼げるというメリットはあるが……
まず飛び系、いわゆる「ストロングロフトアイアン」がどういったものかというと、実は正確な定義はありません。というのも何度が“ストロング”なのかというのは個々のプレーヤーによって変わるからです。例えば32度の7番アイアンでも立っていると感じる人もいれば、29度以下でもそこまで立っていないと感じる人もいるからです。この理由の最大のポイントは、現状使っているアイアンのロフトが基準になるという点です。 先ほどの例でいえば、34度の7番アイアンを使っている人は32度でも立っていると感じるでしょうし、逆に27度を使用している人は29度だと寝ていると感じます。つまり人によって感じ方が違うという点から飛び系アイアンの明確な定義は出来ないのです。ただ、我々フィッターのようにたくさんのクラブを客観的に見ている人間からすると、7番アイアンで29度以下のロフトを飛び系アイアンと定義することが多いです。 ちなみに最近は飛び系の中でも特に立っているアイアン(7番アイアンのロフトが25度付近)をぶっ飛びアイアンや激飛びアイアンなどと呼ぶこともあり、飛び系の中でも差別化させる戦略をとるメーカーもあります。
デメリットはウェッジの本数が増える&スピンが入りにくい
では、飛び系アイアンのメリットとデメリットですが、メリットは何といってもその圧倒的な飛距離性能に尽きます。当たり前といえば当たり前ですが、10年以上前の5番アイアンのロフト角と同等の7番アイアンなのですからもちろん飛びますよね。とはいえ、球が上がらなかったり、芯が狭かったりするとそれは昔の5番のロフト表記を7番に置き換えただけになります。 飛び系アイアンのストロングポイントはソール部分を広くすることで、低重心かつ深い重心のヘッド構造にしている点です。そうすることでロフトが立っているにも関わらず、高い打ち出しとミスヒットに強いヘッドに仕上げています。そういう理由から飛び系アイアンのほとんどが大型ヘッドとなっているのです。 では、飛び系アイアンのデメリットですが、ロフトが立ちすぎているが故にウェッジの本数が増えることや、スピンが入りにくいためグリーンでボールが止まりにくくなるなどが挙げられます。 7番アイアンのロフトが立っているということは基本的にPWのロフトも立っています。つまりPWの下の番手、つまりウェッジの本数を増やさないと短い距離での適切な打ち分けが難しくなります。 また、先ほど低重心のヘッド構造と話しましたが、アイアンは基本的に重心が高いほうがスピンが入ります。打ち出しの高さは確保出来ても、スピンが入らなければシビアなグリーンには対応出来ません。プロや上級者が飛び系アイアンを使わない一番の理由はまさにこのスピンの少なさが原因といっても過言ではありません。