阪神・高橋遥人、3日1032日ぶり1軍聖地マウンド 復帰3戦目もピンチ救う「勝てる確率上がる投球する」
阪神・高橋遥人投手(28)が2日、甲子園での投手指名練習で先発する3日の中日戦(同)に向けて調整した。1軍で本拠地のマウンドに立つのは、2021年以来、1032日ぶり。今季は2戦ともにチームの窮地を救ってきた左腕が三度、逆転優勝へのデッドラインが迫ったチームの最後のとりでとなる。 苦難の日々からはい上がり、たくましくなった背番号29が、甲子園のマウンドに戻ってくる。球団史上初の連覇に向け、今季最大の危機で迎える中日3連戦。その初陣を託された高橋が、逆転優勝への希望をつなぐ。 「ホームグラウンドなので特別かなと思います。プロに入って一番投げてきたマウンドだと思うので、投げづらさとかはあまり感じたことはないです」 2021年11月6日のクライマックスシリーズファーストステージ第1戦の巨人戦以来、実に1032日ぶりの帰還。5月4日のウエスタン・くふうハヤテ戦で甲子園の土は踏んだが、苦しいリハビリ期間に目標にしてきた1軍でのマウンドは別格だ。だが、感傷に浸っている余裕はない。 1日に2位につける巨人戦(甲子園)で無念の降雨コールド負けを喫し、首位広島とは今季最大の5・5ゲーム差まで広がった。刻々と迫る逆転優勝へのデッドライン。プロ野球で史上最大差からの逆転優勝を飾ったのは1963年の西鉄で、14・5ゲーム差だった。2番目は2008年に岡田虎との13ゲーム差をひっくり返した巨人。くしくも、両軍はともに2日現在の阪神と同じ残り22試合時点で、首位と6ゲーム差だった。その後はそろって差を詰めて逆転V。3日に阪神が敗れれば、その一線を越えることになる。絶対に負けられない踏ん張りどころだ。 その先発マウンドに上がる責務は大きいが、高橋ならという期待は膨らむ。左肘などの手術から復帰後はともに広島相手に2戦2勝で防御率0・82。ただの2連勝ではない。復帰戦だった8月11日(京セラ)では自力優勝の可能性消滅を回避し、前回登板の同23日(マツダ)では目前に迫っていた広島のマジック点灯を阻止。窮地に立たされていた岡田虎をその左腕で救い続けてきた。 中日戦は通算10試合登板で6勝1敗、防御率0・99。球団別では最も相性がいい。相手先発は今季防御率0・98を誇る高橋宏だが、気持ちは揺るがない。