阪神は岡田彰布監督の退任がCS突破への起爆剤となるか? 名コーチ・伊勢孝夫が考察する「下剋上の条件」
セ・リーグ連覇こそ逃したものの、シーズン2位でクライマックス・シリーズ(CS)に臨む阪神。岡田彰布監督の今シーズン限りでの退任もあり、なにかと注目されるCSになりそうだ。その阪神はCSを勝ち抜き、日本シリーズへ進出することができるのか? "下剋上の条件"を、名コーチとしてならした野球評論家の伊勢孝夫氏に考察してもらった。 【プロ野球】阪神タイガース「TigersGirls」2024年全メンバー(17人)甲子園球場で撮り下ろし! 【リスク分散型ローテーション】 阪神の"下剋上"についてだが、まずDeNAとのCSファーストステージに勝利しなければならない。DeNAに勝って初めて、巨人への挑戦権を得るわけである。"下剋上"を果たすには、甲子園での3試合で2勝、東京ドームでの6試合のうち4勝、つまり10日間で最大9試合を戦い6勝しなければならないわけだ。これは思っている以上に厳しい。 選手の負担はもちろんだが、一番の悩みどころは先発投手だ。調子のいい投手から投げさせるとなれば、DeNAとのファーストステージ初戦を才木浩人、2戦目を?橋遥人となる。そして1勝1敗になった時を想定して、3戦目はジェレミー・ビーズリーを待機させる......。ただこのローテーションだと、勝ち上がったとして巨人戦にしわ寄せがきてしまう。 そんな時、短期決戦の戦い方のひとつとして、「計算の立つ投手を並べない」というのがある。今季の阪神で言うと、才木と?橋がそれにあたる。 たとえば、才木、大竹耕太郎、村上頌樹の3人で前半の3試合を任せ、後半の3試合を髙橋、ビーズリー、そして中5日で才木というローテーションが組める。つまり一戦必勝ではなく、9試合トータルを考えてのものだ。これが今の阪神投手陣のなかで、もっとも連敗が考えにくいローテーションなのではないか。 仮にファーストステージを3試合戦うと仮定して、ローテーションを組むとこうなる。 CSファーストステージ/DeNA戦第1戦 才木浩人第2戦 大竹耕太郎第3戦 村上頌樹