オスロ合意から30年――パレスチナ問題の現在地
パレスチナ国旗(Photo AC)
2022年の年の瀬、イスラエルに新政権が誕生した。首相に就任したのは、リクードのべンヤミン・ネタニヤフである。 2021年6月の下野からおよそ1年半を経て、イスラエル史上最長の在任期間を誇る元首相が、再び政権の座に返り咲いた形だ。この第6次ネタニヤフ政権では、発足直後の閣僚による神殿の丘訪問、司法改革の試みと抗議活動の発生、ガザ地区での武力行使など、イスラエル国内情勢やパレスチナ問題を動揺させる出来事が続いている。 今年(2023年)は、イスラエル政府とパレスチナ人の代表組織パレスチナ解放機構(PLO)がオスロ合意に署名し、相互承認を宣言してから30年目にあたる。しかし、現在までパレスチナ問題の解決は実現されていない。イスラエルとパレスチナでの最近の出来事は、この紛争の行方に暗い影を落としている。
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鈴木啓之