13.3型AI PC「HP EliteBook 635 Aero G11」で2カ月過ごして分かったこと 1kg切りの軽さでも納得のテストスコア
1kgを切る軽量ボディーながら長時間の駆動が可能
本機が内蔵しているバッテリーは、容量が11.55V/43.3Whで、バッテリーの駆動時間は約11時間30分(MobileMark 25で計測)、JEITAバッテリ動作測定法Ver.3.0では動画再生時が約8.2時間、アイドル時が約13.8時間だ。また、充放電耐久に対応した長期利用設計(約1000回の充放電が可能)が施されている。 PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでのバッテリー駆動時間も、実測で約11時間24分と十分なスコアを記録した。これだけの動作が可能なら、ビデオ会議の量にもよるがACアダプター不要で1日仕事をこなせるだろう。 付属のACアダプターはUSB Power Delivery(PD)対応で最大出力は65Wだ。30分でバッテリーを50%まで充電できるファストチャージもサポートする。ACアダプターの実測のサイズは55(幅)×95(奥行き)×23(厚さ)mmとコンパクトで単体の実測重量は275gだったが、付属の電源ケーブルは3ピンタイプで太く、ACアダプターとの合計重量は344gとかさばる。 別途3ピンのL字型アダプターが付属するので、こちらを持ち歩けばかさばらずに315gまで軽量化できるため利用したい。
軽量モバイルPCながら優れたパフォーマンスを発揮
続いて、ストレージ回りのパフォーマンスを見ていく。 評価機にはPCI Express 4.0 x4対応SSD(容量は512GB)を備えており、CrystalDiskMark 8を使ったテストではスコアこそ平凡ながら、実利用では十分な速度を確保しているのが分かった。 システム全体のパフォーマンスをチェックするPCMark 10では、総合スコアで6386ptsをマークし、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)の5552ptsを大きく上回った。CINEBENCH R23(最低実行時間10分)のスコアは1万822pts、CINEBENCH R24は568ptsと1kg以下のモバイルPCとしては優秀な値だった。 Windows 10の延長サポート終了まで1年を切っている(2025年10月)が、旧世代のノートPCを使っているならば本機に買い替えるだけで大幅な性能向上を実感できるはずだ。 システムに負荷を掛けた際はそれなりに冷却ファンが回転するが、動作音はうまく抑えられている。ボディーの発熱は、厚さが約15.1mmとスリムなだけに高負荷が続くと熱くなるものの、手が触れるパームレストはじんわり暖かくなる程度で済む。 HP EliteBook 635 Aero G11は、最新世代のCPUの電力効率を生かしてビジネスPCとしてバランスの良い製品にまとまっている。それでいてバッテリー駆動時間も長く、重量も1kgを切っているのが魅力だ。 13.3型で1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10)表示に対応した液晶ディスプレイは、画面の輝度も最大400ニトと高く、極端な環境(夏の海辺など)でなければ晴天時の外でも画面内容の把握に困ることもない。また左右の視野角も広くて見やすく、ディスプレイの表示品質も良い。 キャンペーンなどによって常に価格は変動しているが、原稿執筆時点の同社直販サイトでは18万7330円~、CPUをRyzen 5 8640Uにしたモデルなら14万4430円~となっている。最新のAI PCをこの価格帯で入手できるのはポイントだろう。 (製品協力:日本HP)
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