仕事で繰り返される「不毛なやりとり」を圧倒的に減らす、トヨタ式《もっとも具体的》なスゴい方法…プロセスマッピングはこうして作る
STEP 3 現状を振り返る
(1)普段の自分の取り組み・アクションはどうか うまくいったときの相手の反応と、その反応を引き起こした自分のアクションを想像できたら、それとの対比で、「じゃあ、いまの自分はどうなのか」と振り返ってみましょう。 うまくいっていない「現在の自分」は、どのように行動しているのでしょうか。 商談の「説明」の場面なら、例えば「文字ばかりが目立つ資料で、読めばわかることまでくどくど説明していた」といったことが、明らかになるかもしれません。 (2)それに対する相手の反応 そして、うまくいっていないいつもの自分のアクションに対して、相手の反応はどうなのかをあらためて思い起こしてみましょう。「文字ばかりが目立つ資料」で「くどくど説明」されたら、相手の反応はかんばしくはなかったはずです。
STEP 4 引き算で問題点をあぶり出す
最後に「理想状態」から「現状」を引き算することで、現時点で「何が足りていないのか」=問題点を把握します。「理想状態現状=問題点」という考え方です。 ここまで、引き算思考を説明しました。ポイントは「ダイレクトに、問題点を探しに行ない」ことです。課題や問題点は誰もがたくさん抱えているもの。まずは理想状態を明確にして、引き算思考であぶり出された問題点から克服していきましょう。
真の要因が浮かび上がる「ダイコン図」
みなさん、頭の中でこんなシーンを想定してください。 自分が担当している製品の一部品に大量の不良品が出ていることが判明、取引先に早急に謝罪と事情説明に行かないとなりませんが、その部品の製造元とその部品を当社に納品した販売元のどちらに問題があるのかわからず、現時点では不良品が発生した原因も問題点も「確認中」、対応策も「検討中」のまま。 手ぶらで出向いても、かえって信頼を失うことにもなりかねません。 早急な原因の究明、問題点の特定が必須です。そのことはわかっていても、どこからどう手を付ければいいのかわからない、そんな状態のとき、みなさんはどう動きますか。 多くの方が「何が問題なのだろう」「どこに問題点があるのか」とダイレクトに問題点を探そうとしがちです。ですが、やみくもに探しに行くだけでは、問題点は見つかりません。 こうしたときは、仕事のプロセスを「分けない」から、問題点が「分からない」という状態になっていることが多々あります。例えば、当該部品のサプライチェーン(生産から販売までのプロセス)を「分けない」から問題点が「分からない」のです。 一連のプロセスを漠然と捉えて、どこに問題点があるのかと探しても、効率的に探し出すことはできません。 そこで、一連のプロセスを1本のダイコンと捉えて、いくつかに分ける「ダイコン図」で、問題点を特定する3ステップを説明します。