英国家具が1,200点以上! オンラインショップ『camori』の店舗へ。
東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどを ぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「か」は蒲田へ。
ポチッ、置き配で。お店に行かずともスマホさえあれば、一通りのものを揃えられるのが現代の当たり前。でも正直、届いたのを確認すると「あれ、こんな感じなんだ」と肩を落としてしまうことも結構多い。ましてや色味やコンディションの差が激しい古いインテリアものとなれば、現物を確認せずオンラインだけで即決するのはいささか不安だ。 東京五十音散策 蒲田③
京急蒲田駅から徒歩15分、第一京浜国道沿いにある『camori』は、そんな不安を感じている人に寄り沿ってくれている家具店。店というよりは巨大倉庫だけど実はオンラインショップを運営するストックルームで、僕たちのような人のために、自由に見て触れられる取り組みを行っているのだ。予約の必要もない。
オーナーの加守温則(かもり・あつのり)さんが「買い付けの際に訪れる片田舎のディーラー倉庫をイメージして作った」という約250坪の城には〈アーコール〉、〈ネイサン〉、〈ジープラン〉など人気メーカーの英国ヴィンテージ家具を中心に、現地で使われていた北欧モノまで1,200点以上が所狭しに並ぶ。一日中見ていられるほど驚異的な数があり体力をそぎ落とされるほどだけど値段は良心的。接客もなく、倉庫内の工房で修復専門スタッフが引き出しの調整、椅子のグラつき修理、再塗装などに取り組む姿が間近で見られるのもまさに“片田舎のディーラー倉庫”のようでイイ。
加守さんは20代の頃、世界一周中に出会ったヒッピー達に「ノマド」という言葉を聴き、衝撃を受けたことがきっかけでWeb系の職業訓練校に通った経緯を持つ。その後、バイト先だった前身のリサイクルショップ『izuya recycle』から、昨年2023年に独立。得た知識をフルに掛け合わせることで、無人販売に近い独自のスタイルを生み出したのだ。
最近はポンド高の影響で、毎月だった仕入れのペースが2ヶ月1回に。それでも都度、コンテナ箱ぎゅうぎゅうに約250点の商品が入荷しているという。果てしないインターネットの海で写真と睨めっこしながら家具を探すのは骨が折れるけれど、隙間時間に眺め、休日に直接触れに行ってみて欲しい。同じ商品を比べられて解像度が上がることはもちろん、「ここの杢目がシブいじゃないか!」と、自分好みのディティールが見つかるかもしれないから。
インフォメーション
camori イギリスの定番ヴィンテージ家具が日本一揃っているであろうオンラインショップ。実店舗と通販それぞれのメリットを抽出した“あいだ”のような販売スタイルが面白い。現地で購入する際もスマホからの決済で、購入するともれなく永年保証付きなのも嬉しい。99パーセントは通販だが、家具を新調したくなる春に、バイヤー気分で行ってみては? ◯東京都大田区東六郷1丁目12-3 ☎︎03・5708・5489 10:00~17:00 水休 photo: Hiroshi Nakamura, text: Fuya Uto, edit: Toromatsu
POPEYE Web