「時差ボケでつらいです」SNSでみられる“海外マウント”あるある
SNS上で繰り広げられる「マウンティング合戦」。直接的なものから、自虐に見せかけてさりげなく立場の高さや生活の充実ぶりを匂わせる「ステルスマウンティング」まで、さまざまな事例が日々観測されている。 本稿では、3万以上の事例を収集・分析してきたマウンティング研究家がその知見をまとめた『人生が整うマウンティング大全』より、海外出張や海外移住など国際的な要素を用いて自身の優位性をアピールする「グローバルマウント」について一部をご紹介する。 ※本稿はマウンティングポリス(著)『人生が整うマウンティング大全』(技術評論社)を一部抜粋・編集したものです。
グローバルマウントとは?
海外留学や海外在住歴といったグローバルな要素を用いて自身の優位性をアピールする行為を「グローバルマウント」と呼ぶ。 ニューヨークやロンドンといった欧米の都市がグローバルマウントの材料として用いられることが多い。その背景には、日本人特有の欧米コンプレックスがあるとされる。 グローバルマウントを展開する人の多くは、「世界では~」「国際的に見ると~」などと述べ、実際には存在していない「グローバル基準」を勝手に創り出し、「自分は世界を知っているぞ」と自慢する傾向がある。 今回は「グローバルマウント」の中から「時差ボケマウント」「海外移住マウント」「空港マウント」について取り上げる。
時差ボケマウント
・昨日、ようやくニューヨーク出張から帰ってこれたのですが、時差ボケで死にそうです。来週の国際会議の資料作成が全然手につかない...... ▶時差ボケで苦しんでいることを自虐的に見せつつ、ビジネスパーソンとしてグローバルに活躍している自身の姿を強調する ・ロンドン→ニューヨーク→シカゴ→東京を1週間で回ったせいで、時差ボケのオンパレード。学生時代に夢見た世界一周はこんなんじゃなかった ▶海外出張による時差ボケに悩まされていると愚痴りながら、多忙なスケジュールをこなしていることをアピールする ・今週はシリコンバレーとニューヨークを経由してからのアムステルダムのカンファレンスに出席します。おすすめのレストランなどをご存じの方はぜひ教えてください ▶おすすめのレストラン情報を聞くふりをして、海外のカンファレンスに参加することができる自分の恵まれた立場を見せつける 【解説】「時差ボケでつらい」「海外出張はもう二度としたくない」という発言は、ある種のカモフラージュ。本人は、ビジネスで世界中を飛び回っている自分の姿にある種の"陶酔感"を覚えている。 海外出張先としては、ニューヨーク、パリ、ロンドン、サンフランシスコといった、いかにも欧米っぽい都市が用いられることが多い。 (補足)「時差ボケマウント」投稿のコメント欄には、「私も以前、東京→ロンドン→ヨハネスブルク→ドバイ→東京を1週間で移動したことがあります。あんなフライトはもう二度としたくないですね」などと張り合うマウントおじさんが頻繁に登場する。 他人の投稿のコメント欄でマウントを取ろうとするその積極性は、すべてのビジネスパーソンが見習うべきだろう。 筆者が最近目撃した「時差ボケマウント」の派生系としては、スマホの時計アプリを見れば一目瞭然であるにもかかわらず、「完全に時差のこと忘れてたけど、日本って今何時なんだろう?」などとわざとらしくSNSでつぶやくケースなどが挙げられる。