セキュリティトークン(ST)市場、2025年に3400億円規模へ──プログマが市場展望
デジタル証券(ST)やステーブルコイン(SC)の発行・管理基盤を手がけるプログマ(Progmat)は1月6日、「デジタル証券(ST)マーケットアウトルック2025」を発表した。 2024年のST発行累計額は1486億円超、新規発行額は675億円に達し、2025年には発行累計額が3411億円超、新規発行額は1925億円(前年比2.9倍)まで拡大する見通しを示している。 現在の市場は不動産STが主流で、件数で75%、金額で89.5%を占める。発行体はケネディクスと三井物産デジタル・アセットマネジメントの2社が牽引し、2024年には新たにりそな銀行、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント、ウェルス・リアルティ・マネジメントの3社が市場に参入。証券会社では野村證券と大和証券が大型案件を中心に取り扱い、販売金額で市場を牽引している。 2025年の市場拡大の背景には、令和7年度税制改正大綱による制度整備がある。これまで課題とされていた動産(インフラや航空機等)、出資持分(ベンチャーキャピタルファンドの持分等)、海外アセット(米国不動産等)のトークン化に係る信託税制上の課題が解決される見込みだ。 STプラットフォームの状況では、プログマが案件数で53.8%、利用仲介者数で45.0%のシェアを維持。2024年はブーストリー(BOOSTRY)やセキュリタイズ・ジャパン(Securitize Japan)も案件数と利用仲介者数を伸ばしており、プラットフォーム間の競争が活発化している。 ステーブルコインの国内発行に関して同社は、STとSCを組み合わせた取引が機関投資家向けの私募商品として始まる見込みを示している。個人投資家向けの新取引形態(パーミッションレス型ST等)については、暗号資産を巡る法的枠組みやライセンスの再編議論の動向が影響するとしている。 |文:栃山直樹|画像:リリースから
CoinDesk Japan 編集部