阿蘇での地下水涵養に「システムを2025年につくりたい」 10分・20分構想は「2025年に具体的なルート含め議論盛り上げたい」 熊本県の木村敬知事が生出演
半導体産業の集積で課題の地下水保全は
地下水保全について、TSMCの進出に伴って、半導体関連企業の集積が進んでいる。そして12月26日からTSMC第1工場近くに設置された観測井戸の地下水の水位のデータがリアルタイムで確認できる『地下水位の見える化』が始まった。地下水保全についての、木村県知事の思いを聞く。 木村敬熊本県知事 --地下水というのは『熊本県民の宝』です。これを生かしてこその熊本です。地下水があるからこそ豊かな農業もあるし、半導体企業を含めた企業もやってきている。また、地下水自体を『水』にして売るような素晴らしい会社にも立地してもらっています。地下水を守っていくというのは、熊本をこれからのお子さんの世代、お孫さんの世代にも残していくために絶対守っていかないけないものだと思っております。
阿蘇地域での地下水涵養への取り組みは
地下水については、白川中流域で水を地下に蓄える地下水涵養が非常に進んでいるが、その上流域の阿蘇エリアでの地下水涵養については、今後どう考えているのか。 木村敬熊本県知事 --阿蘇地域の自治体の方、または住民の方、農家の方からも、ぜひ阿蘇も巻き込んでくれという相談をいただいていまして、今しっかりとその点のアイディアを進めています。阿蘇で草地とか森を守ることが熊本都市圏の水の豊かさにつながる。これをしっかりお金も循環するようなシステムを来年作っていきたいと思って、実は今いろいろ勉強を進めているところです。 --常に地下水についてはウォッチをしていて、県民の皆さんに情報をお見せして、そして長い目でしっかり守っていく。阿蘇を守ることは世界遺産にもつながりますので、頑張っていきたいと思います。
熊本県と熊本市で取り組む渋滞問題
続いては熊本都市圏の大きな課題、渋滞の問題だ。12月26日に新たな動きがあった。熊本県と熊本市の調整会議が開かれ、木村県知事は大西熊本市長と会議を行い、2025年度から3年以内に熊本都市圏の30カ所の交差点の改良を行うなど、具体的な対策を発表した。 この中でピーク時の交通量を分散させるために、2024年度に県市が連携で取り組んだ時差出勤について、周辺の自治体や民間企業も巻き込み、2025年度中に1万人規模まで拡大して県民運動として定着させるということにした。県民運動となると、ハード面の対策に加えて、県民の理解と協力というものが今後必要になってくるが。 木村敬熊本県知事 --道路を整備すればするほど、車がいっぱい入ってしまうので、もっと渋滞が広がる可能性があります。やはり県民の皆さんが、例えば時差出勤とか、車からバスに変えてもらうことで、渋滞の量が減る可能性があります。今年熊本県と熊本市の職員、それに肥後銀行さんにも入っていただいて、時差出勤をやったところ、交通量が特に県庁の周辺ですと、ぐっと平均化する。 --6時台、7時台、8時台で見ると、7時台、8時台が(交通量が)多いんですけど、(時差出勤を行い)6時台、9時台と同じぐらいになったことによって、ギューッと渋滞の長さが短くなったんです。ぜひ県民運動にしていきたい。そういう企業とか団体とか協力していく人たちを、応援していく制度をつくっていきたいと思っています。
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