サンローランはカンヌ国際映画祭に出品。 ラグジュアリー ブランドが映画制作に続々参入
映画への投資戦略とブランドドキュメンタリー映画の台頭
しかし、ブランド向けの美化されたマーケティングキャンペーンではなく、それ自身が芸術作品となるような映画に資金を投じる戦略のほうが、多くの場合はるかに興味深い。話は2013年に遡るが、プラダ(Prada)はウェス・アンダーソン氏の脚本・監督による短編映画『カステロ・カヴァルカンティ(原題:Castello Cavalcanti)』を制作した。この映画はイタリアが舞台であることを除けばプラダやファッションとはほとんど関係ないストーリーだが、これによってプラダは、受賞歴を持つ映画監督であるアンダーソン氏の名声と自社を結びつけることができた。 ラグジュアリーブランドにとっては名声がすべてであり、LVMHのようなファッション、蒸留酒、ホテル、レストランなどを抱える巨大かつ多様なホールディングブランドが、手はじめとして映画制作に参入するのは当然のことだろう。そして、『ブラックベリー(原題:Blackberry)』、『AIR/エア(原題:Air)』『フレーミングホット!チートス物語(原題:Flamin’ Hot)』などブランドのドキュメンタリー映画が台頭してきている近年の現状において、さまざまなラグジュアリーブランドに関するドキュメンタリードラマが続々と制作される日もそう遠くはないだろう。 [原文:Weekend Briefing: Prepare for a wave of luxury fashion house feature films] DANNY PARISI(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)
編集部