海外留学したい高校生の「大学選び」 長期留学しづらい学部は?4年で卒業するには?
大学在学中に長期留学したいと考えている場合、大学選びの段階で知っていた方が良いことがあります。高校生の時から、どんなことを意識するといいのでしょうか。準備しておけることとは? なるべく無理なく留学を実現するために、高校生ができることを紹介します。 【表】大学2年から1年間の海外留学をする場合の理想スケジュール
「海外留学したい」というわが子の思いをかなえたいものの、何から調べていいのかわからないものです。費用や就職活動への影響なども気になります。 「留学に王道はありません。『わが家の場合』を考えるには、まずは大学生の長期留学のパターンを把握しましょう」と言うのは、英語教育や留学に詳しいトフルゼミナールの企画業務部長兼カウンセラーの加藤芳明さんです。 海外大学に長期留学する方法は、大まかに2つのパターンに分かれます。日本の大学に在籍しながら、大学が協定を結んでいる海外大学に行く交換留学(派遣留学、協定留学などともいいます)。もう一つが、日本の大学を休学して個人で行く私費留学です。 「コストを抑えるには、交換留学が得策です。というのも、交換留学では単位移行といって、現地で修得した単位が日本の大学の単位として認められます。つまり休学の必要がなく、大学を4年間で卒業できるのが一般的です。授業料も、日本の大学に納めていれば、留学先への支払いは免除されます」(加藤さん) 例えば、アメリカの大学の場合、授業料だけで年間300万~1000万円(記事参照)かかりますが、交換留学なら日本の大学の学費だけで済みます。大きくかかるのは、生活費や渡航費のみとなります。 ただし、交換留学には募集枠があり、参加するには学内選考を通過しなければなりません。そのためには、在籍学部の学びに即した留学であるということや、GPA(Grade Point Average/大学の成績指標)、TOEFLやIELTSなど英語試験のスコアが基準値をクリアしていることなどが条件となります。そのうえで、志望理由書や面接試験などをもとに判断されます。 「今はほとんどの大学が協定校を持っています。特定の留学先にこだわらなければ、どの大学でもチャンスはあるでしょう」と加藤さんは話します。