【調査報道】市民に情報が閉ざされた百条委員会 非公開で隠されていた問題を独自取材~洲本市のふるさと納税をめぐる元職員の不正を調査~
非公開だらけ… 洲本市議会の百条委員会
2023年10月洲本市議会 「賛成全員により原案のとおり可決されました」 洲本市議会は2023年10月、元職員の不適切な事務処理などを調査する特別委員会 百条委員会を設置。しかし…。 2023年12月リポート 「きょうの証人尋問も非公開」 5月2日リポート 「きょうは市長と副市長の証人尋問なんですけども、きょうも中の撮影は許されませんでした」 5月25日リポート 「きょうも中の撮影は許されませんでした」 証人尋問の様子は一切撮影が認められず仕切りが。上崎市長は唯一仕切りを外されるも、撮影は認められませんでした。一方、公開を要望した証人がいます。洲本市の旧東京アンテナショップの元店長 田村伸也さんです。 田村伸也元店長 「リアルタイムで見られるものがないのは市民に声が届かない」 田村元店長は、元課長が店にある弁当などの商品を勝手に食べたり、親しい女性に公金で高級和牛を贈っていたことなどをサンテレビに内部告発。証人尋問で田村元店長は、事実であると証言。一方、元課長は、事実ではない。肉はお金を支払ったと証言しています。 田村元店長は、実名顔出しで記者の質問に応え、報道撮影の許可を事務局に求めても認められなかったと話します。 田村元店長 「あんなパーテーションもいりませんし、よく最近いろいろな地方自治体で言われている議会の見える化にならってテレビカメラを入れていただいたり、ライブ配信を入れていただいて市民の方にリアルタイムで見ていただけるような見える化ですよね」
弁護士「百条委員会は責任追及の伝家の宝刀 きっちりと運用していないのでは」
神戸市の第三者委員会の副委員長を務めるなど行政問題にも精通する藤本尚道弁護士は―。 藤本弁護士 「公開しない。撮影を許さないということによって真実を引き出す効果はありうるんです。だけど、本人が映してほしい。自分の言っていることをきちっと聞いてほしいと思っている場合にそれを許さない。つまり公開しないというのは何か不思議な気がしますね」 百条委員会には強い調査権があり、証人を呼んで証言を求めるだけではなく、この問題に関連する企業や洲本市から記録資料の提出を求めることもできます。その内容を積極的に公開するようサンテレビが加盟する淡路島記者クラブが委員会に要望書を提出しますが。 木戸隆一郎委員長 「その点について委員の中で協議をしましたけども、法律にのっとって運用している中でそのような形ですることは難しいという結論を得ているので、大変申し訳ないですけども、そういった形でお願いしたい。当事者間でしか見ることができないというような『法律上の運用』もあるので」 「法律上の運用」という見解について藤本弁護士は―。 藤本弁護士 「法律が公開しなさいと書いていないからしなくてもいいだろうというそういうノリではないでしょうかね。だからそれで俺たちは法律に違反していない。だからのっとってやっているんだという一つの言葉のあやですね。議会が追及する問題。市民国民に対して公開していくというのは一つの大きな流れだと思うんですけどね。それをする気がないというだけのことです」 どのようなルールで百条委員会を運用しているのか。淡路島記者クラブは、ルールを記した手引きも公開を求めましたが、中身は明かされませんでした。サンテレビは、市議会と洲本市に対して、手引きの情報公開請求を行うも「行政文書にあたらない」として開示されませんでした。 藤本弁護士 「国民市民の知る権利に奉仕する形でマスコミが動いているわけですから、それに対して公開しないという動きというのは市民国民の知る権利を害している。これだけ停滞低迷しているということは議会そのものにやる気がない。本気度が疑われると私は思っていますね」