【MotoGP】レッドブルリンクで転倒連続のアコスタ、原因は「タイヤが冷えちゃってて」
レッドブルリンクで開幕したMotoGP第11戦オーストリアGP。初日の走行でペドロ・アコスタ(GASGAS)は3回も転倒を喫したが、その大半は冷えたタイヤが原因だったようだ。 【リザルト】MotoGP第11戦オーストリアGP プラクティス結果 アコスタ属するKTM陣営にとってのホーム戦であるオーストリアGP。しかし初日のフリー走行1回目で、アコスタは2度も転倒を喫してしまった。 1度目はシケインのターン2で転倒し、その後再び出走したアコスタは、速度の乗るターン4でクラッシュ……わずか10分間の間に立て続けにアクシデントが起きた。 マシンのダメージが原因だったのではという憶測もあったが、アコスタはこれらの転倒はタイヤの温度を十分に上げられていなかったことが大きな要因となっていると説明していた。 「最初の転倒についてから話そう。僕は転倒してしまったわけだけど、あれはタイヤがちょっと冷えてしまっていたせいなんだ。後ろにいたポル(エスパルガロ/KTMワイルドカード参戦)を前に行かせるためにアクセルを少し緩めていたんだ」 「それでタイヤの左サイドがちょっと冷えていたんだ。あまりここでは(左)コーナーが多くないからね」 「(その後)『よし、2周走るぞ』と思ったんだ。タイヤを再び温める必要があるとは思っていた。ただ、同じ温度になるとは思っていなかった」 「フェアリングが壊れていたからクラッシュしたわけじゃないし、ブレーキが詰まったりしたわけでもないんだ」 「ブレーキに触れたとき、タイヤが本当に冷えていたんだ。僕らが普段乗っているときより30度低かったんじゃないかと思っている。ブレーキに触れた瞬間、フロントタイヤがロックしてしまったんだ」 アコスタはタイヤ内のセンサーが記録した温度と、表面の温度で大きな差があったと指摘しており、これは非常に珍しい出来事だったと語った。 なおレッドブルリンクは、ミシュランが標準とは異なる仕様のタイヤを持ち込んでいる3つのサーキットのうちのひとつにあたる。 「タイヤの内側は熱くなっていたんだけど、表面は冷えていた。そして右側よりも左側が冷えていたんだ」 「僕が予想だにしていなかったのは、タイヤの中央が冷えていたことだ。ストレートを走っていれば、すでに中央部分は温まっているからね」 「今日起こった問題は、まったく普通じゃなかった。内側が熱くなっていて、外側が冷えているなんて普通じゃない」 そしてクラッシュ時に考えていたことについて訊かれると、アコスタは「よし行くぞ!」と考えていたと答えた。 「ああいった状況になったとき……幸い無事だったからね。路面に触れたときにはバイクのほうが速く離れていって、僕が轢かれることもなかった」 「たしかに衝撃はかなりあったし、火花も散っていた。でも結局のところレースをしているわけだし、そういうものだよ」 「人生は常に危険に満ちている。もしかすると街の道路を横切るときに、バスに轢かれるかもしれないんだ」 なおアコスタはFP1に続いてプラクティスでもクラッシュを喫した。
Rachit Thukral