佐々木朗希のメジャー移籍、大谷翔平との決定的な違い…システムの問題だけではない「認められる」条件
NPBで一度も規定投球回数に達したことがない佐々木が、アメリカのさらに過酷な環境に適応して活躍できるかどうかは、微妙なところだ。 今オフ、ダルビッシュ有は古巣日本ハムの選手たちに会うために、エスコンフィールドHOKKAIDOに姿を現した。そして昔のチームメイトと練習に汗を流した。移籍して12年経っても「古巣」と良好な関係が維持できるのは、日本ハムを円満な形で移籍したからだ。大谷翔平も同様で、エスコンフィールドには2人の顔を描いた大きな壁画が描かれ、ファンの撮影スポットになっている。
■「佐々木の肉声」がほとんど聞こえてこない ロッテ球団は「佐々木の夢をかなえるために喜んで送り出したい」とは言ったが、今後、佐々木はロッテ球団に「古巣」として、気楽に帰ってこられるような関係になるのだろうか? 筆者が最も気になるのは、今回の移籍劇に際して「佐々木の肉声」がほとんど聞こえてこないことだ。野茂英雄からイチロー、松井秀喜、大谷翔平まで、メジャーに挑戦するトップ選手は力強い言葉で「自分の考え」「自分の意志」を明確に述べた。
「誰に言われたから」でもなく「自分自身の選択」としてこの道を選んだとはっきり口にした。今後、MLB球団による争奪戦が始まるが、佐々木はどこかのタイミングで「自分の言葉」で移籍について語る必要があると思う。
広尾 晃 :ライター