佐々木朗希のメジャー移籍、大谷翔平との決定的な違い…システムの問題だけではない「認められる」条件
年俸面でも、2023年はオリックス最高額の6.5億円に達し、球団としてもこれ以上は抱えきれない状態だった。球団も、山本自身も、そしてオリックス3連覇を目の当たりにしたファンも「納得ずくでの」ポスティング移籍だったと言えよう。 25歳未満で移籍した大谷翔平も、前代未聞の二刀流で大活躍し、2016年にはMVPを受賞している。また、当時から大谷は別格の人気であり、観客動員に大きく貢献した。またファンも大谷が「メジャー志向」であることをよく知っていたから、25歳未満での移籍にも理解を示したわけだ。
しかしながら、今回の佐々木朗希の場合、2022年に史上最年少で「完全試合」を達成するなど、そのポテンシャルは、投手大谷翔平や、山本由伸を上回っているが、故障や不調が多く、過去4年のキャリアで1度も規定投球回数(143イニング)に達したことがない。最も多く投げたのは2022年の129.1回だった。 たしかに佐々木朗希は、抜群の能力を持つ投手であり、マウンドに上がることさえできれば圧倒的なパフォーマンスを演じるが、シーズン通してチームに貢献したとはいいがたく、エースの称号を与えるには躊躇がある。年俸も8000万円であり、中堅投手の評価だと言ってよい。
■当時の大谷翔平の成績と比較すると… 恐らく佐々木朗希サイドとしては、大谷翔平という前例があるから、佐々木にも「25歳未満ルール」でもポスティング移籍する資格があると判断したのだろう。2人のNPB時代の投手成績を比較するとこうなる。 大谷翔平 5年 85試合42勝15敗1ホールド543回 防御率2.52 佐々木朗希 4年 64試合29勝15敗394.2回 防御率2.10 すごい防御率ではあるが、ざっくり言えば佐々木の成績は大谷より「1シーズン分足りない」と言える。その上、佐々木の場合、間隔が空きすぎると批判があるNPBの「中6日」のローテーションでさえ、満足にクリアしていないのだ。