英中銀がPE業界のリスク警告、支援受けても「苦境」の企業は多い
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は27日発表した金融安定報告で、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資企業から支援を受けた企業で「苦境に立たされている」ケースが増えていると警告した。世界で8兆ドル(約1280兆円)規模に上るPE業界は不透明で、金利上昇による圧力も強まっている。
英中銀はまた、年2回公表する同報告で銀行を含むPEセクターに関与する企業に対し、リスク管理が不十分だと非難。同中銀は同セクターのリスクを抑え込むべく、厳しく指摘した。
同中銀は「バリュエーションや全体的なレバレッジ水準に対する透明性向上が同セクターの脆弱(ぜいじゃく)さの軽減に役立つだろう」との考えを示し、「銀行などPEセクターへの資金の貸し手を含め、一部ではリスク管理も改善する必要がある」とした。
中銀をはじめ英国の規制当局は長い間、PE市場のリスクを懸念してきた。
英中銀は「高金利の環境では資金調達コストの上昇が、負債を抱えるPE企業のパフォーマンスにとって足かせとなり、支援するスポンサー企業は投資からの撤退が困難になる」と指摘した。
原題:BOE Warns on ‘Struggling’ Private Equity-Backed Firms(抜粋)
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William Shaw, Laura Noonan