モスク破壊の地に巨大ヒンドゥー寺院完成――インド総選挙「号砲」で後退する「政教分離」
式典の模様は国営テレビなどで中継され、翌日の一般公開では約30万人の参拝客が集まった[ラーマ寺院の落成式典に出席、神像に祈りを捧げるモディ首相=2024年1月22日、インド・ウッタルプラデシュ州アヨディヤ] 写真提供:インド報道情報局(PIB)
1月22日、ヒンドゥー教の聖地とされるインド北部ウッタルプラデシュ州のアヨディヤで、人々の篤い信仰を集めるラーマ神をまつった巨大寺院が完成し、盛大な落成式が行われた。 式典にはナレンドラ・モディ首相ら与党・インド人民党(BJP)幹部のほか、BJP最大の支持母体である ヒンドゥー至上主義 団体・民族奉仕団(RSS)のモハン・バグワット総裁をはじめ、クリケットの元スター選手で国民的英雄のサチン・テンドルカル、巨大財閥 リライアンス・グループ 総帥のムケシュ・アンバニ、人気のヨガ指導者バーバ・ラームデブ、ボリウッド映画スターのアミターブ・バッチャン、そして「ムトゥ 踊るマハラジャ」で知られる俳優ラジニカーントなど約7000人の著名人が招待された。 寺院内部には高さ1.3メートルのラーマ神像が据えられ、スピーチしたモディ首相は「新時代の到来だ」と祝辞を送った。式典の模様は国営テレビなどでライブ中継され、翌23日の一般公開では約30万人の参拝客が長い列をつくった。
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緒方麻也