【マリーゴールド】増村貴宏「日本一のプロレス団体にできるようにサポートしたい」
――それは大変ですね(苦笑)。レスラーは輝ける場所がありますが、それを支える裏方さんにスポットが当たることは少ないですよね。 増村:僕はあまり人前に出ることが好きじゃないので裏方があってますね…。最近思うのは、今のお客さんはすごく温かい人が多いんですよ。 元々、僕は「週刊ゴング」のカメラマンだったので試合の写真を撮っていると「見えねえよ!」と蹴飛ばされることがありました。 特に地方や新木場ファーストリングは、リングと客席が近いから何度も蹴られました。 チケットを購入して観戦しているお客さんの視界をふさがないように細心の注意をしていますが、大技が決まった瞬間見えないと申し訳ない気持ちです。 ――取材のために海外も行きましたか? 増村:昔、弾丸ツアーがあり現地に到着したらすぐに外で写真撮影。そのまま会場入りして試合。 空いている時間はほとんど撮影、ホテルの戻るのが深夜1~3時とかありましたね。 当時は試合レポートも担当していたので、4~5時間かけて作成。気がつくと朝5時の出発時間。「やべっ、シャワーだけ浴びよう」とか(笑)。 ――寝てないじゃないですか(苦笑)。 増村:そうです(笑)。ときどき「スタッフになりたいです」と連絡があります。「ちょっとは選手と話せるかも」などの気持ちで入ると、仕事の量が多く驚く人がほとんど。だから、この業界は入れ替わりが激しいんですよ。 例えば、先日の両国国技館大会の試合中、僕はずっと4時間試合の撮影を行いました。 興行の日は試合前の雑用などをこなし、終わってからも雑用。荷物の搬出作業を終えて帰宅するのは深夜なんてこともあります。
――リングサイドの増村さんはベストショットを撮るため、常に動いていたイメージがあります。 増村:選手も頑張っているから、良い絵を撮ってあげたいんですよ。「あの時の技の写真ないんだ」って思われたくない。 コンマ1秒のズレで、良い写真と悪い写真に分かれてしまいます。プロレスは顔の表情で痛みや激しさが伝わります。だからタイミングを逃したくないんですよね。 ――カメラマンとしてのプライドですね。ところでマリーゴールドは旗揚げから3ヶ月が経過しました。運営する上でスターダムと比べて違いはありますか? 増村:スターダムの時は会場設営等を会社がやってくれました。でもマリーゴールドは選手がリング設営から会場の椅子の設置等を手伝ってくれます。 試合前で練習もしなければいけない。でも何も言わずに選手が率先してパイプ椅子に席番を貼ってくれるんです。 ――アルバイトの方にお願いしていると思っていました。 増村:興行によっては試合に集中してほしいとお願いしている時もありますが、撤収作業も選手が行います。 試合後、僕が写真データを媒体さんに向けて送る作業をしている時など物販やサイン会がない選手がキチンと手伝ってくれます。 試合をして疲れているのに嫌な顔をせずに動いてくれる。その姿を見るたびに「マリーゴールドを日本一のプロレス団体にできるようにサポートしていきたい」と思います。 旗揚げして3ヶ月、まだまだ始まったばかりの団体です。選手とスタッフが一丸となってマリーゴールドを盛り上げて行きたいと思います。みなさん、選手に対するご声援を是非会場でお願いします!