高騰するマンション市場をけん引してきた「住まない人達」に“異変” 日銀の追加「利上げ」で“宴は終わり”?
牧野: その可能性はあります。 comugi: そうなってくると、市場の状況が徐々に違うものに変わっていくということですよね。 牧野: 投資のマーケットというのは、そういった意味ではものすごいドライなんですね。だから今までは非常に環境が良くて、日本は金利なんて上げられるわけがないと、いろんな人が言ったわけです。 この時代が続けば、どんどんマンションは値上がりしていくというふうに考えて、みんな買ってると。今でもそうなんですよ。 でも投資って面白くて、真逆に考える人がいるから売買マーケットが成立するんですね。どこかでバランスする動きがある。 comugi: なるほど。 牧野: それから相続についても、国税庁が新しい見解を発表しまして、マンションは時価の6割で評価しますという方針になっています。 タワマンだから得とか上層階だから得というのが全部なくなりました。 comugi: そんな大変化があったんですが。 牧野: この1~2年のことです。とはいえ時価の6割で評価してくれるわけですから、節税効果がゼロになったわけでは当然ないんですけれど。 一番大きなファクターは金利です。日銀は0.1から0.25程度とアナウンスメントしたんで、金利の上げ幅としてはあんまり大したことないですね。 ところが、不動産投資マーケットの中で、1%はこの先上がるんではないかというのが、共通の見解になってくると、不動産投資をしている人の中でぐらつく人が出てきます。 これを投資の世界で「イグジット」と言うんですが、売って逃げようとするということですね。「これは宴が終わった」と、実際に売り始めている投資家がいます。 comugi: 徐々にそれが加速していくんでしょうか。 牧野: とはいえ、また宴が続くこともあるんですよ。そういうことも考えて、残っている人も当然いるんですけど、退場が始まっているというのが今のマーケットです。 comugi: これが不動産ビジネスの核心に近い話、まさに本音というところですね。 牧野: つまり、マーケットを引っ張ってきた人の間に動揺が走って、この一部が離脱を始めると、今までのマンションマーケットというのは、こういった人たちで支えられてきていますので、この人たちのニーズ、需要が落ちてしまうと。
そうなると、マンションを買う人いないですよね。そうなると、ペアローンでギリギリで借りてるパワーカップルの方々は、金利1%上がっちゃうと結構つらいですよね。 それに今は物価がどんどん上がってきてますよね。そうすると、当初借りたときよりも生活コストもすごい上がってる中で金利上げられると、中にはもう無理だという人が出てきても不思議ではないです。
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