高騰するマンション市場をけん引してきた「住まない人達」に“異変” 日銀の追加「利上げ」で“宴は終わり”?
牧野: おおむねカテゴリー的には4つあるといわれています。 1つは当たり前ですけれども、「お金持ち」です。富裕層と言われてる人たちで、いま日本中で富裕層がものすごい勢いで増殖しています。 以前は東京オリンピックが過ぎれば不動産の価格は落ち着いて、だんだん下がってくるんではないかと議論がされていたかと思うんですね。でも、結果そうならなかった。 この理由は、2013年以降、日本が行った大規模金融緩和です。通称「アベノミクス」なんですけれども。まさかこれを10年以上もやっちゃったんです。 comugi: そうですよね。ゼロ金利、むしろマイナス金利と呼ばれた時代が長く続きました。 牧野: 富裕層といわれる純金融資産で1億円以上保有している世帯が、いま全体の2%、約150万世帯弱なんですが、この富裕層がアベノミクス以降急激に増えたんです。 資産を持っている人は、どんどんそれを担保に、あるいはそれを利用して新たに資金を調達できます。 このお金が株や債券、そして一部不動産に回ることによって、マンション価格がどんどん高くなりました。 comugi: 資産が資産を生む構造ですね。 牧野: お金が増えてくると誰が一番ドライブがかかるかって、当然、お金持ってる人に一番ドライブがかかるんです。 comugi: なるほど、これは庶民にはつらい話になってきますね。 牧野: 富裕層は東京大阪ばかりではなく、地方にもものすごく増えています。不動産に投資したいと思ったときに、マンションっていうのは、流動性もあるし、買いやすいですよね。 買うならやっぱり新築だよねということで、東京大阪の高いマンションを買うわけです。 comugi: バブルの時期の頃のように、軽井沢に別荘を持つような感覚に近いですね。 ■最大勢力は「住まない人たち」 牧野: 2番目のカテゴリーが一番大きな勢力になったんですけれども、「国内外の投資家」です。 comugi: 内外ということは海外からもということですね。