人と人がサウナを起点につながる、“ととのう”ための別邸
会社経営者の森實敏彦さんは、日本で最初に会社の中にサウナをつくったサ界の功労者。このたび、東京にサウナを中心に人と人がつながることができる別邸を誕生させました。サウナで繋がる人の輪はどこまでも広がっていくようで……。 モテる我が家の作り方
「サウナは人と人の垣根を取り払い、つながっていくための絶好のツール」
“ととのい”や“サ道”という言葉も生まれ、ヒートアップするばかりのサウナ人気。自宅やオフィスのそばに日常的に通えるサウナアドレスをお持ちの方も多いかと思いますが、いつでも入れるようにと自身が経営する企業の最上階にサウナをつくってしまったのは森實敏彦さん。自動車・航空・宇宙などの分野の総合エンジニアリング企業「タマディック」新社屋に誕生した社内サウナは、世界的建築家である坂茂氏が手がけたこともあり、大いに話題となりました。この時点(2021年)では日本で初めて会社内につくられたサウナでしたが、その後、いくつも会社内サウナが誕生したことから、森實さんがいかに日本のサ界に大きな変化を与えているか、推して知るべしでしょう。
「社内にサウナをつくったことで社員の健康意識や生活は大きく変わりました。でも、その影響はぼく自身にも大きくて。サウナは裸の付き合いだし、人と人の距離が近いことから、まさに胸襟をひらいてリラックスしながら語り合うことができる場所。社員同士のコミュニケーションに役立つのはもちろん、いまままでのビジネス人脈ではつながることのなかった人と出会うことができて、生活は公私ともに大きく変わりました」と語る森實さん。このほど人生で2軒目となるサウナを東京の別宅に誕生させたと聞きつけ、さっそく拝見してきました。
場所は都内の閑静なレジデンシャルエリア、小高い丘の上に建つ低層のマンション。1階の物件を今回のサウナのために購入し、スケルトンリノベーションしました。デザインはこれまた今をときめく建築家の谷尻誠氏だというからすごい。
会社である「タマディック」のサウナは森實さんのディレクションでつくられたそうですが、自邸のひとつでもある今回のサウナはどちらかと言えば奥さまの有紀子夫人が主導。谷尻誠氏のデザインはとても都会的でクールなテイストが多いという印象でしたが、森實さん宅はどこかやわらかくて有機的だと思っていたら、奥さまの意見が反映されていたんですね。