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「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの？」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は、公立中高一貫校の受験についての相談です。 【マンガ】中学受験「全落ち」した子はかわいそう？　大人の“勝手な思い込み”に気づかされた、子ども同士の会話（全35ページ）） 【相談】 都立中高一貫校を考えています。三つ違いの兄は同じ都立中高一貫校を第1志望にしていましたが、残念な結果に終わり、現在は地元の公立に通っていて、そこそこ楽しそうにやっています。夫は弟でリベンジをさせたいようですが、公立中高一貫校の対策の難しさを感じています。かといって私立との併願も、都立と私立では試験の傾向が全く違うので同時期の対策は難しいとも感じています。どうしたらいいでしょうか。（小5男子母） ■受験が「通過するためのもの」になっている 安浪：この質問者さんが考えている都立中高一貫校というのは、お兄ちゃんが受けた学校を弟さんも受けるってことなんでしょうか。 矢萩：たぶんそうでしょうね。まず、リベンジっていう発想自体がどうなのかな、と思います。しかもリベンジしたいのは本人じゃないですし。 安浪：お兄ちゃんは地元の公立でそこそこ楽しそうにやっているんだったら、それも選択肢に入っていいはずなのに、それはないんですね。受験って、その後の学びの場を獲得するものだと思うんですが、完全に通過するためのものになってしまっている。 矢萩：学習はリベンジでするもんじゃないし、百歩譲ってリベンジがありだとしても、本人が自発的にやらなければリベンジとは言わないです。そもそも受験では兄のリベンジを弟がすることはできません。 安浪：あと、「同時期の対策は難しさを感じています」というところですが、都立も私立もベースの学力というものは一緒なんです。ですから、同時期の対策、という言葉はおかしい。おそらく質問者さんは都立と私立の勉強は全く別のものに見えているんでしょうね。