救急車1回の出動に、どれだけのお金がかかっているの? また、どのような場合に呼べばよいのでしょうか?
救急車を呼ぶ場合の基準
総務省がまとめた「令和5年版 救急・救助の現況」によると、傷病程度別の搬送人員は「軽症(外来診療)」と診断された方が294万106人でした。前年と比べて47万9646人(19.5%)増加しており、軽症にもかかわらず救急車を呼ぶ数が増加している傾向があることが分かります。 ただし、意識や呼吸がない、多量の出血、交通事故によるけが、痙攣(けいれん)がとまらないなど、重症な場合はすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。 一方、救急車を呼ぶべきか迷った場合には、全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」や救急安心センター事業「#7119」の利用がおすすめです。 救急安心センター事業は、救急車を呼んだほうがよいかなど、判断に迷ったときに利用できる電話相談窓口であり、令和6(2024)年9月現在、全国33地域、人口カバー率69.9%で対応しています。 全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」では、症状を画面上で選択すると緊急度の目安や対応を教えてくれます。緊急度が高い判定を受けたら、アプリから119番に電話することも可能です。
軽症なのに救急車を呼ぶとどうなる?
紹介状を持たずに200床以上の大きな病院を受診した場合、「選定療養費」として一定の負担を患者に求めることが義務化されていますが、救急車で搬送された患者は緊急性が高いとして徴収の対象外とされていました。 しかし、近年は軽症患者の増加に伴い、搬送後に入院などが不要の軽症患者だった場合、選定療養費(7700円など)が徴収される動きが広まっており、令和6(2024)年6月から三重県松阪市、12月からは茨城県など、地方自治体主体での徴収も始まっているようです。 救急車自体は無料で利用できますが、適切に利用しないと追加で特別な料金の徴収対象となってしまうため、注意が必要です。
救急車は税金で賄われているため適切に利用しよう
救急車は1回の出動に4万5000円ほどが必要となり、それらはすべて税金で賄われています。 軽症で救急車を呼んだ場合、大きな病院で治療を受けたときに選定療養費を徴収される可能性があるため、救急車は適切に使い、本当に必要な人が活用できるよう心がけましょう。 出典 東京都 機能するバランスシート - 救急事業とバランスシートの役割 - 総務省「令和5年版 救急・救助の現況 」の公表 総務省「令和5年中の救急出動件数等(速報値)」の公表 厚生労働省 紹介状なしの大病院受診時に係る選定療養について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部