退職金の「MAX額」はいくら?平均額はどのくらい?
退職時、もしくは退職後に支給される退職金。趣味に注ぎ込んだり、住み替えの資金にあてたりと、使い道に想像を膨らませている方もいるでしょう。 しかし、最大でどの程度受け取れるのか、平均はどれくらいかなど、具体的な金額を把握している方は少ないかもしれません。そこで今回は、退職金の上限額や平均額を解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
退職金のMAX額
退職金の支給額は、勤続年数や役職、退職理由などで決まりますが、計算方法はさまざまです。そのため、最大支給額は企業によって異なります。ただし、計算方法の例を把握しておけば、支給額の目安を立てやすくなるでしょう。 この章では、退職金の全額を「一時金」として受け取る前提で、従業員と役員の退職金上限額を予測します。 ■従業員の退職金MAX額 厚生労働省労働基準局監督課の「モデル就業規則」では、従業員の退職金の計算方法は次のように設定されています。 ・退職金の額は、退職又は解雇の時の基本給の額に、勤続年数に応じて定めた下表の支給率を乗じた金額とする。 同資料における支給率の最大は、「勤続年数41年~」の25です。この場合の退職金額は次の式で計算できます。 (退職または解雇時点の基本給)×25 「退職または解雇時点の基本給」に現在の額を入れ、勤続年数にあった支給率を乗じれば最大額の算出が可能です。 なお、この計算方法以外にも、「点数方式(職能等級、勤続年数等を点数(ポイント)に置き換えて算定する方式)」や「別テーブル方式(賃金と連動しない体系又はテーブルで算定する方式)」など複数の仕組みがあるようです。勤務先の就業規則から、どの計算方法が採用されているかを確かめるといいでしょう。 ■役員の退職金MAX額 役員の退職金(役員退職金)の計算には、次の式を用いることがあるようです。 (退任時点の月額報酬)×(勤続年数)×(一定の割合) 「一定の割合」は役職に応じて決まり、以下の値が目安とされます。 ●代表取締役社長:3倍 ●専務取締役:2.4~2.7倍 ●常務取締役:2~2.3倍 ●取締役:1.6~2倍 ●監査役:1.4~2倍 したがって、最終月額を3倍した値が、役員退職金の最大額の基準となるでしょう。ただし、従業員の退職金同様、複数の計算方法があるため、厳密な額は企業ごとに異なります。