<ボクシング>計量失敗で亀田大毅は有利か不利か?
せっかくの統一戦が台無しになった。 IBF世界Sフライ級王者、亀田大毅(亀田ジム)の対戦相手のWBA世界Sフライ級王者のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)が、この日、行われた前日計量に失敗。リングを上がる以前にWBAタイトルを剥奪された。オーバーウエイトが1.4キロ程度だったため、当日の試合は、予定通りに行われるが、亀田が勝てば統一王者、負ければ、両タイトルは空位扱い。ドローの場合はIBFタイトルの防衛とされることになった。 ■日本での世界戦 王者の計量失敗は5度 それにしても亀田家の試合は、いつも計量でトラブルが起きる。WBA世界バンタム級王者の亀田興毅が、1位のウーゴ・ルイスと対戦したときも、相手が3度目の計量でやっとクリア。大毅が、IBF王座決定戦を戦ったロドリゴ・ゲレロも、計量の1回目は350グラムオーバー、再計量でようやくクリアしている。過去に日本で開催された世界戦で来日した王者が計量に失敗したケースは5度ある。 古くは1974年のWBA世界フライ級王者、チャチャイ・チオノイ(タイ)対花形進の世界戦。王者は計量に失敗。挑戦者の花形は、6回にKO勝利して新王者となった。亀田大毅と試合経験のある坂田健史がWBA世界タイトルへ挑戦した試合でも失格事件があった。王者のロレンソ・パーラが、2.1キロオーバーという確信的とも思える計量の失敗で王座剥奪。パーラは3回終了後に試合を放棄して坂田が世界奪取に成功した。 ■計量失敗の王者に挑戦者が敗れたことも 後の2度は、王者が計量に失敗したにも関わらず挑戦者が敗れたケースだ。 WBC世界L・フライ級暫定王者、ワンディ・シンワンチャーに、嘉陽宗嗣が挑戦した暫定世界戦も、熱発の影響で減量のできなかったシンワンチャーが、リミットを1.2kgもオーバーして失格。試合は敢行されが、嘉陽が途中、倒されるなどして0-3の判定で完敗した。また現在、大橋ジムのトレーナーである松本好二も、フレディ・ノーウッドの持つWBA世界フェザー級タイトルに挑戦したが、ノーウッドが、800グラムオーバーで計量に失敗して失格。王座を剥奪され試合が行われたが、ノーウッドは“リトルハグラー”と呼ばれるほどの強烈なパンチをブンブン振り回して、松本は10回にTKO負けしている。