りくりゅう1年7か月ぶりの国内演技でSP首位 腰痛に苦しんだ木原「皆さんにいい演技を届けたい」
◆フィギュアスケート ▽グランプリ(GP)シリーズ 第4戦・NHK杯 第1日(8日、東京・国立代々木競技場) ショートプログラム(SP)が行われ、ペアは「りくりゅう」こと三浦璃来(22)、木原龍一(32)組=木下グループ=が71・90点の首位で、GP連勝に王手をかけた。 小さく首をひねった三浦の腰を、木原がポンとたたいてねぎらった。71・90点は、優勝したスケートアメリカの77・79点には及ばず。悔しさをのぞかせた2人だが、2位に1・62点差のトップでGP2連勝に前進した。りくりゅうが約1年7か月ぶりに日本で披露した滑り。「観客の皆さんがすごく温かくて。滑っていて、うれしいなって思いました」と三浦は感謝した。ホームの大歓声に笑顔が戻った。 アップテンポな曲調に乗り、冒頭のツイストリフトを成功。続く3回転トウループは回転不足となったが、息の合ったスピンはぴたりとそろえた。練習時からミスの後に切り替える意識を徹底。木原は「引きずることなくまとめきれたのは、復帰して成長できた点かな」と納得の表情。元世界王者として堂々と演じきった。 2022―23シーズンには主要国際大会をすべて制す「年間グランドスラム」を達成。だが、りくりゅうは昨季、木原の腰椎分離症などの影響でGPシリーズと全日本選手権を欠場するなど不完全燃焼に終わっていた。雪辱を期す今季は練習したい気持ちを抑え、休養も積極的に取り入れて体調管理に注力。「練習すらできない状態だったけど、今年は試合で見つかった課題を改善できている。本当にありがたい」と木原。試合ができる喜びを感じ、今シーズンを過ごしている。 10月のスケートアメリカに続き今大会も勝てば、12月のGPファイナル進出が決まる。9日のフリーも気は抜かない。2季ぶりの大舞台を目指して、木原は「フリーの点数で、前回を超えられたら。久しぶりの日本での試合。皆さんにいい演技を届けたい」と視線を上げた。ファイナル切符は目の前にある。(大谷 翔太) ◆GPシリーズ 各選手・組は最大2試合に出場可能。6大会の順位をポイント(1位15点、2位13点、3位11点、4位9点、5位7点、6位5点、7位4点、8位3点)換算し、2戦合計の成績上位6人が前半の世界一決定戦となるGPファイナル(12月・フランス)に進出。今季の日本勢では女子の樋口新葉(ノエビア)がすでに決定。GPは今回のNHK杯を除き残り2戦で、第5戦がフィンランド大会(15~17日)、第6戦が中国杯(22~24日)。
報知新聞社