フジテック「初期的な提案を受けたのは事実」 自社の売却報道に絡み
エレベーター大手のフジテックは31日、自社の売却に関する報道を受けて、外部から「初期的な提案を受けている」と明らかにした。買収提案とみられ、社外取締役でつくる特別委員会で検討しているという。「慎重な精査・検討が必要」としている。 前日の30日に、フジテックが複数の投資ファンドと話し合い、自社の売却を検討していると英フィナンシャル・タイムズが報道。これに対し、フジテックは「当社が買い手を探している点など事実と異なる内容を含んでいる」と一部を否定しつつ、「法的拘束力のない初期的な提案を受けていることは事実」と31日に公表した。提案者や提案の中身については、一切明らかにしていない。 フジテックは滋賀県彦根市に本社を置く業界大手で、株式の時価総額は約4400億円。昨年6月の株主総会では、同3月に会長を解任された創業家出身の内山高一氏側と、大株主である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が事実上主導する経営側が役員人事などで対立。委任状争奪戦の結果、経営側の提案が可決されていた。
朝日新聞社