「玉木氏不倫」少数与党とバラバラ野党の“遭遇戦” 第2次石破内閣発足も、混乱極める「宙づり国会」
そうした状況を踏まえ、石破首相は11日夜、新内閣発足を受けての官邸記者会見で、「自民党は今度こそ、あるべき国民政党として生まれ変わらなければならない」として、政治資金の透明化などに早急に取り組む姿勢をアピール。併せて、経済対策の一環として人工知能(AI)や半導体分野に10兆円以上の公的支援を行い、今後10年間で50兆円を超える官民投資を引き出すための新たな枠組みを設ける方針を打ち出した。 また、外交分野では、トランプ次期アメリカ大統領と「なるべく早いタイミングで直接会談する機会を持ちたい」と対面会談実現への意欲を示した。
■「不信任提出なら解散で対抗も」―自民・森山氏 その一方、石破政権で今後の国会運営などを取り仕切るのは森山幹事長とみられている。すでに森山氏は、衆院選直後から、野党各党との幅広い人脈も活用して、少数与党での安定的な政権維持に、様々な駆け引きを展開している。 その中心となるのは①かねて“ゆ党”(“や党”と“よ党”の間という意味)とみられる立場だった国民民主と維新の取り込みによる野党分断②政治改革での立憲民主との大胆な妥協③立憲民主に衆院予算委員長を譲ったことで、今年度補正予算案や来年度政府予算案の処理に責任を持たせる④全野党が一致して内閣不信任案を提出した場合は、衆院解散で対抗するーーという戦略だ。
中でも、森山氏が重視しているのは、国民民主との「103万円の壁」の見直し交渉。すでに、宮沢洋一自民党税制調査会会長を交渉責任者とし、「国民民主要求の大幅取り入れ」での早期決着に動いてきた。ただ、11日朝に一部メディアが報じた「玉木氏と元グラビアアイドルの不倫」を玉木氏が「おおむね事実」と認め、謝罪に追い込まれたことで、状況が大きく変化しつつある。 玉木氏に代わる国民民主の交渉者は旧大蔵官僚の古川元久・国対委員長となり、自民・宮沢氏との間で「税の専門家」として実務的協議を進めることになる。ただ、国民民主の議員からは「玉木氏が不倫で求心力を失ったことで、我々はさらに引くに引けない状況となった」(若手)との声も相次ぐ。このため、自民内にも「玉木氏の不在で、国民民主取り込みはさらに難しくなる」(政調幹部)との不安が広がる。