「玉木氏不倫」少数与党とバラバラ野党の“遭遇戦” 第2次石破内閣発足も、混乱極める「宙づり国会」
衆院選を受けての特別国会は11日召集され、同日午後の衆院本会議での首相指名選挙を経て、石破自民党総裁(67)が第103代首相に改めて選出された。衆院で与党が過半数(233議席)を割り込む状況下、首相指名選挙は30年ぶりの決選投票での決着に。これを受け同夜の皇居での首相任命式と閣僚認証式を受けて、自民、公明両党の連立による第2次石破内閣が発足した。 今回の首相指名選挙は、衆院の1回目の投票(投票総数465票)で、石破氏221票―立憲民主・野田佳彦代表151票―維新・馬場伸幸代表38票―国民民主・玉木雄一郎代表28票―れいわ新選組・山本太郎代表9票―共産党・田村智子委員長8票―などの結果となり、いずれも過半数に達しなかった。
これを受けた決選投票は石破、野田の上位2氏が得票数を競う仕組みで、自公支持の石破氏が221票を獲得、野田氏の160票を大きく上回った。共産は野田氏に投票したが、決選投票での野田氏一本化を拒否した維新、国民民主、れいわ、参政、日本保守各党が石破、野田両氏以外の名前で投票したためで、無効票が84票に達した。 首相指名選挙が決選投票になったのは戦後5回目で、今回は社会党出身の村山富市首相が選出された1994年以来の異例の事態。自公が過半数を占める参院(投票総数239票)では、石破氏142票―野田氏46票―馬場氏18票―玉木氏11票―田村氏11票―山本氏5票―などで石破氏が圧勝した。
■石破首相、記者会見で「政治資金透明化」など決意表明 首相指名を受けて石破首相は11日夕、首相官邸での斉藤鉄夫・公明代表と党首会談で両党の連携強化などを確認した上で、組閣本部を設置、衆院選で落選した牧原秀樹法相と小里泰弘農相の後任に、それぞれ鈴木馨祐元副外相と江藤拓元農相を、公明の斉藤代表が務めてきた国土交通相には同党の中野洋昌元経済産業政務官を起用し、それ以外の閣僚は再任させた。 今回衆院選では、巨額裏金事件での強い逆風を受け、自公両党が過半数を大きく下回る計215議席と大敗。自民は裏金問題で非公認とした無所属ら6人を会派に加えたが、それでも計221議席の「少数与党」として国会運営に臨み、政策ごとに国民民主党など一部野党の協力を取り付けて政権維持を目指すことになる。