「漕いで、釣って、捌いて、食うまで、全部好き!」Sami-TさんとSUPフィッシングへ
釣りにハマる人が増えている。“食べるための釣り”こそ本筋であり醍醐味。釣りを発信するYouTubeチャンネルも運営する〈MIGHTY CROWN〉セレクターのサミー・ティーさんと、二宮海岸へ。 [画像]Sami-Tさん * Sami-T(サミー・ティー)/昨年活動休止した〈Mighty Crown〉のセレクター。釣りを発信するYouTube『Nature Gang』を運営。3月31日に〈キャスティング横浜磯子店〉で別注ルアーを発売。ホームポイントは神奈川県二宮海岸の沖合約1~2km。釣れた魚を冷蔵するためのクーラーボックスに腰掛け、じっと魚を待つ。
釣りは遊びじゃない、夕食のハンティング!
世界No.1のレゲエサウンドで知られるMighty CrownのSami-Tさんは、釣り業界では“サミ平”の愛称で親しまれる、大の釣り好き。暇があれば、SUPボードに釣り具一式を乗せて、日の出とともにフィッシングへ出航するのが日課だ。ただ取材日は波が高く、ウェットスーツを着たまま腕組みする姿が浜辺にはあった。 「これだと転覆の恐れがあるから、ちょっと様子を見ようか」 そう言って、波の様子に眼を凝らし、待つこと30分ほど。 「徐々に波も落ち着いてきたね。よし、出航しよう!」と、ボードを担ぎ、波打ち際へ。そのまま波を一つ、二つと越えると、ボードの上に膝立ちして、オールを漕いで沖へ出る。 「SUPの上でコケないかって言われるけど、荒波でなければ、まず大丈夫。魚のことも、この辺りは毎週来ているから任せてよ。まず沖合1kmまで、うっすら白く見える潮目に沿って向かおう。冬はアタリが少ないけど、ボウズじゃあ格好つかないから絶対に夕食を釣るぞ!」 そう宣言し、20分ほどひたすらパドリングして、一直線に目的地点へ。到着したらクーラーボックスに腰掛け、安定した姿勢でまず一投。海中の様子を確かめるように、二投、三投とキャスティングすると…。 「おっ、いきなり来たぞ。(リールを巻いて)姿が見えてきた、ハタだ! よっしゃー。読みは正解だったな。潮目は小魚が停滞しやすいから、それを狙いにハタも来たんだよ」 宣言通り、いきなり釣り上げ、大漁の兆し。ハタの口から針を外したら、腰を上げて、氷入りのクーラーボックスの中へ。 「ダイワの“ミドキン”(緑と金の配色)のルアー《TGベイト》が、いつも幸せと夕食を運んでくれるんだよ。今日もね!」 好調のまま、2匹目、3匹目は、ホウボウをゲット。 「冬の海で、2時間でこの成果は十分! 乗り合いの漁船と違って、自分のタイミングで帰れるのもSUPフィッシングの魅力なんだよ。少し早いけど、気分が最高潮なうちに戻ろうか」 午前10時前には、陸へ上がり、最寄りに借りている仲間とのシェアガレージ、“アジト”へ。 「まだ魚の息があるうちに下処理を済ませると、味が落ちない。今晩は、ハタの煮付けとホウボウの刺し身かな。こりゃいい!」 早くも、昼前から夕飯の話題に。これも釣り人あるあるだ。 取材・文/宮田恵一郎(初出『Tarzan』No.873・2024年2月8日発売)