新型コロナワクチン接種率わずか2% “定期接種”で高齢者中心に10月からスタートも… 名古屋市の担当者「接種疲れか」【大石邦彦が聞く】
国民の8割が接種した新型コロナワクチン。今は「定期接種」という形で高齢者らを中心に接種が行われていることを知っている人は少ないのではないだろうか。 【写真を見る】新型コロナワクチン接種率わずか2% “定期接種”で高齢者中心に10月からスタートも… 名古屋市の担当者「接種疲れか」【大石邦彦が聞く】 10月からスタートした定期接種は基本的には有料になり、対象となるワクチンも5種類に増えた。お馴染みのアメリカのファイザー、モデルナに加え、ようやく国産のワクチンも3つ顔を揃え、国民にとっては選択肢が増えたという見方もできる。 例年のコロナの流行状況からしても、年末年始から感染者が増加し大きなピークの山が形成されるため、私が取材した医療機関も積極的に接種を勧めていた。しかも、接種対象はこれまで多い人で7回接種していて、すでに接種慣れしている高齢者が中心なのだから、接種率はそれなりに高くなると予想された。 だからこそ、今回のワクチン接種率を耳にした時、大きな衝撃を受けた。名古屋市によれば、その接種率は10月末までで僅か2%だというのだ。名古屋市の接種対象となる高齢者らは約59万4000人で、実際に接種した人は1万2000人だったという。その数字の低さに、私以上に名古屋市の担当者も驚きを隠せない様子だった。 ■つぎ込んだ予算は30億円 なぜワクチン打たない? 名古屋市では、1回目、2回目の接種率が92%とかなり高く推移したが、その後は担当者曰く「接種疲れ」からか、接種率は急降下し、7回目では34%まで下がっていた。 それでも、30%台半ばの接種率を保っていたため、ここまでの低調ぶりには困惑していたのであろう。なにせ名古屋市は24万人の接種を見込んでいて、30.5億円の予算をつぎ込んでいたのだから。 これは名古屋市だけの傾向なのだろうか?厚労省に聞いてみた。当初国は対象となる高齢者の8割にあたる3002万回分を供給し、高齢者らのワクチン接種のニーズに備えていた。しかし、蓋を開けてみると、11月22日までで接種されたのは581万回で、接種率は16%と決して高いとは言えず、かつてのような接種意欲が無くなっているようだった。