【買えない人は閲覧注意】ルアマガ編集長はなぜ22イグジストを4台も買ったのか?バス釣りスピニングリール論争に終止符が打たれる!?
川村光大郎さんでも使い潰せない無限のタフネス
――ステラを黒田健史さんが、イグジストを川村光大郎さんがそれぞれ持ち寄って、その魅力を語り合う企画ですね。多くのアングラーが気になっていたところを突いたスゴイ企画でしたね(笑) フルカワ「実は当時すでに、ビジュアル面でイグジストに気持ちは傾いていたんです。あのフルメタル感、エアドライブローターの形状…。見た目が好きって所有感に直結する大事な要素。性能以前に重要なことだと思います。そこに川村さんの話を聞いて、気持ちが決まりました」 ――どんな話だったのですか? フルカワ「取材時に川村さんが持ってきていた、1世代前にあたる18イグジストを触らしてもらったんです。ハンドルを回してみると、かなりの使用感がある見た目なのに、新品なのかと思うくらいの巻き心地だったんです」 ――川村さんといえば陸王を筆頭に、過酷な岸釣りロケに追われているイメージがあります。 フルカワ「ですよね。そんな川村さんが使い込んでいて、外見は傷だらけなのにいざ使ってみるとダメージみたいなものを感じないんですよ。しかもよくよく聞いてみると、オーバーホールに出したりといったこともなかったそうです。旧モデルにもかかわらず、ノーメンテで川村さんの4年分の釣りに耐えられたのであれば、週休二日の一般人である自分レベルの釣行頻度なら新しいイグジストを一生使い続けられるかも、と、そう思ったんです」 ――頑丈、という意味ではステラも相当なものだと思うのですが…? フルカワ「そうですね。でも基本的にバス釣りしかやらない自分にとっては、あそこまでの性能はオーバースペックかなと思ったんです。それなら少しでも軽いほうがバス釣りには適している。だから当時は後に出るであろう、ヴァンキッシュにの発表まで待つか悩みましたが、いち早く使い始めることでより、ハイエンド機のメリットを活かせるので待たずに購入しました」
清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入!キャスト精度が向上!エアドライブデザインの恩恵も凄まじかった!!
――それではイグジストは発売してすぐに買ったんですか? フルカワ「さすがに値段が値段なので、そうはいかなかったです(笑)。結局買ったのは、2022年の12月頃でした。締め切り前のハイテンションでお店にいって、清水の舞台から飛び降りるような気持ちでLT2500S-Hを買いました。レジ前のあの焦燥感はヤバいですね。高いリールを買う醍醐味とも言えそうですが(笑)」 ――ハイエンドリールは「買う瞬間」までもエンターテイメントにしてくれるわけですね(笑)。実際に使うのはそのイグジストが初めてだったんですよね。 フルカワ「ですね。それまでは触らせてもらっただけとか、そんな感じです」 ――いかがでした? フルカワ「そりゃもうビックラポンですよ! ロッドにセットした瞬間にヤバいと思いました。なにせ圧倒的に軽い! それまで使っていた12イグジストが180gくらいだったのに対して、22イグジストは20gも軽くなった160g。軽さからくる感度の良さや操作性の向上はいまさら語るまでもありませんよね。それよりも驚いたのは、キャスト精度があがったんです」 ――リールでキャスト精度、ですか? フルカワ「そうなんです。オーバーヘッドキャストやサイドキャストのように、リールを下にして振り下ろす感じでタックルの重さが気にならない投げ方ならいいんです。でもピッチングやバックハンドキャストのように、タックルの重さを感じつつ振り上げるような軌道を描くキャストでは、イグジストの圧倒的な軽さが大きな恩恵になります。つまりリールの重さに振り回されにくくなるわけです」 ――なるほど。挙動を抑制する必要がなくなる分、精度をあげることができると。 フルカワ「それからものすごい恩恵があるなと感じたのが、エアドライブデザインのローターでした。巻き出しは軽いし、止めるさいにもピタッと止まるわけです。低慣性化されているからこその使用感ですね。じつはそれまでスピニングリールはノーマルギアが好きだったのですが、巻き重り感を感じなかったことでハイギアモデルを選ぶことができました」 ――ギア比による巻き心地の差を感じにくくなるくらい、エアドライブデザインが巻き感に影響を与えているということですね。 フルカワ「よくハンドルを勢いよく回して手を放すことでリールの回転をみる人がいるじゃないですか。イグジストの凄さはあれでは測れません。低慣性なので、すぐに回転が止まってしまいますからね。逆に言うと、あれでぐるぐる回るリールって、たしかに巻いている最中はスムーズかもしれませんが、巻きだしや巻き終わりのメリハリは効きにくいはずです」 ――その利点って、釣りにはどのように影響するのでしょうか? フルカワ「極端にいうと、より思った分だけハンドル操作でラインを操作できるわけです。ですから、ラインスラッグを適切に取ることができて、ラインを突っ張ってしまいにくいですし、軽いリグや小さなワームを動かしすぎることもないです」 フルカワ「それから『軽い力で回る』=『止まりやすい』。超低慣性のイグジストは巻き下ろす瞬間にもブレのない安定したリーリングが可能なんです」 ――たしかに、良くまわすぎるリールだとハンドルを巻き下ろすときって巻き速度が早くなりがちな気がしますね フルカワ「これはエリアトラウトのスプーニングのような繊細な巻きにはかなりメリットになるでしょうね。もちろん、バスでもシャッドなど、ただ巻きメインの釣りは同じことがいえます」