「高血圧」が歯周病・むし歯リスクを高めるのはご存じですか? 口腔ケアのポイントも歯科医が解説!
高血圧患者さんが歯科治療を受ける際の注意点
編集部: 高血圧の持病があっても、歯科治療は通常通り受けられるのでしょうか? 山田先生: 医科で適切な治療を受け、服薬などで血圧のコントロールが良好な方であれば、歯科治療は問題なく受けられます。ただし、高血圧患者さんの場合は、麻酔をともなう抜歯などの外科処置、治療時の心理的ストレスに十分な配慮が必要です。 編集部: 高血圧の人が歯科治療を受けるにあたって、何か気をつけるべきことはありますか? 山田先生: まずは、問診表を正しく記入することが大切です。少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、安全に歯科治療を受けるためには事前の情報収集と共有が非常に重要となります。また、最近の保険診療の改訂により、今後は医科と歯科との情報共有がさらに強化されることも、あらかじめご理解いただきたいと思います。 編集部: そのほかに、高血圧患者さんの受診で注意すべき点はありますか? 山田先生: 大切なのは、自分の健康状態を隠さずに伝えることです。高血圧に限らず、持病がある人のなかには、それを恥ずかしく感じたり、伝えると診てもらえないと思ったりする方も実は少なくありません。しかし、健康状態を正直に、正しく伝えてくださることは、私たち歯科医にとっては非常にありがたく、その情報を元に適切な対応や治療計画を立てることができます。 編集部: つまり、患者さんと歯科医院側のコミュニケーションが重要なのですね。 山田先生: そのとおりです。例えば、特別な配慮が必要な患者さんに対しては、診療時間を長めにとったり、感染対策を強化したりすることがあります。そのためには、患者さんの協力が不可欠です。大切なのは、患者さんと我々歯科医が互いに情報を共有し、一緒にゴールを見つけていく姿勢です。医療者の指示や質問を真摯に受け止め、ともに解決を探っていく。そのような協力関係が安全で効果的な歯科医療につながることは、ぜひ知っていただきたいと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 山田先生: 歯科医療は長期的な関係性が非常に重要で、10年、20年とともに歩んでいくためには、患者さんと医療者の間で信頼関係を築くことが不可欠となります。そのために、患者さんにはまず自身の健康状態を包み隠さず伝えてほしいです。また、予約日時をきちんと守っていただくことで、適切な人材を配置して医療の質の向上につながったり、我々歯科医療者も適切な対応でトラブルを防止できたりします。歯科医院は単なる治療の場ではなく、長期的な健康のパートナー的存在であることを、ぜひ本記事を通してお伝えできれば幸いです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]