なぜ阪神は中日・松坂大輔を打てず自力V消滅となったのか?
自力V消滅は、あくまでも机上の数字で、今後の展開次第で復活はある。指揮官が、それを気にかけないのは当然のことだ。だが、問題は“隙のある野球”を続けていて追撃できるのか、ということにある。 “球界大御所”の元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏は、阪神の課題として3打数無安打に終わった大山の4番起用を挙げていた。 「今、大山にずっと4番を打たせていることは疑問だ。巨人の岡本にしてもそう。まだ、その力はない。“4番を打たせないといつまでたっても4番打者として育たない”というような理論はない。4番を打たせる選手がいないのかもしれないが、まずは、6番、7番を打たせ、対応力も含め力をつけさせることが先だ」 阪神はメジャーで通算75本塁打を放っているスイッチのソラーテを緊急補強した。早ければ、今週中にも来日予定。慣れる時間は、多少必要かもしれないが、自力V復活のためには思い切って「ソラーテ4番」で打線を組み替えることも必要だろう。 広岡氏は、そもそも“矢野ガッツ”にも反対で、監督、コーチの指導力不足を指摘する。 「ベンチは落ち着いているべきで、ガッツポーズは選手がしていればいいことだ。阪神が抱えている問題は、教える人がいないこと。今年の広島は苦しんでいるが、広島のように若手を内側から育てるなら、まず監督、コーチが野球を勉強することだろう。正しい指導と徹底した基本練習。その地道な積み重ねがチームを作る。その意味で阪神の首脳陣は勉強不足だ」 巨人独走でペナントの灯を消してしまうのはつまらない。 阪神の残り試合は、まだ57試合もあるのである。