なぜ村田諒太はTKO勝利の後に「リアルな相手と戦いたい」とサプライズ発言をしたのか?
リング上で村田はサプライズ発言をした。 「みんな(井上)尚弥の試合を見てリアルな相手と戦って欲しいと思っているんでしょう。会長! リアルな相手をお願いします」 準備したわけではなく突発的に話した。 村田が言う「リアルな相手」とは、トップオブザトップ、サウル”カネロ”アルバレスとゴロフキンとのビッグマッチに他ならない。 「バトラーは、WBOランキング1位にもなったいい選手。でもわかりにくい。尚(井上尚弥)ちゃんのWBSSは盛り上がった。チャンピオン同士がぶつかりあった。カジュアルファンは尚ちゃんがいい試合をしたというだけで満足するかもしれないが、ヘビーなファンは、そこを求める。そういうファンに応えたいというのが、心のどこかにある。心のどこかに怖さもある。でも、プロとしてわかりやすい試合をしないといけない」 村田は控室でリアル発言の理由を説明した。 「今日の試合も、もちろんリアル。リアルという表現に語弊があったかもしれないけれど、僕の意味することはこうなんです」と言う。 記者会見には、トップランク社の”総帥”ボブ・アラム氏が村田の隣に座り、バトラーの共同プロモーターであり、アルバレスのプロモーターでもあるディアス氏も出席した。村田の望むドリームマッチを実現させる役者が揃っていた。ボブ・アラム氏は、「ミドル級の大きな試合を用意したい。五輪の前に1試合、後に1試合、カネロ(アルバレス)やGGG(ゴロフキン)を日本に呼びビッグマッチを東京ドームで開催したい。”日本に来たい”という選手もいるから」と断言した。 一気に2人?というリップサービスに村田は「それは忙しいですね」と笑った。ディアス氏も「カネロも”日本でやりたい”と言っている。年明けから交渉に入りたい」とハッキリ言った。 ただ、アルバレスは、WBO世界ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフ(ロシア)を一発で葬って、2階級上のベルトを巻いた。スーパーミドル級への転級も予想されており、再びミドル級へ落すかどうかがポイントになるが、アラム氏は、「カネロはミドルに落とす可能性はある。GGG(ゴロフキン)でもカネロでも、どちらが先であろうが、村田は両方倒してくれると期待している」と続けた。それを聞いた村田は、小声でアラム氏に「もしカネロとできるなら僕の階級を上げてもいいですよ」とつぶやいた。