1年間のレジスタンス運動で、4年後も脚力が維持できる?高齢者を対象にした研究で明らかに
定年退職前後に1年間、高負荷のレジスタンス運動を行うと、長期にわたって効果が持続するとの研究結果が発表された。 〈写真〉1年間のレジスタンス運動で、4年後も脚力が維持できる?高齢者を対象にした研究で明らかに 定年前後に週3回、重いウエイトを持ち上げれば、人生の晩年まで脚力を劇的に維持できる可能性がある、という研究結果が発表された。人は年をとると自然に筋肉の機能が低下するもので、専門家によれば、脚力の衰えは高齢者の死を招く大きな要因となる。レジスタンス運動が長期的に役立つかどうかを調べるため、コペンハーゲン大学を中心とする研究者らは、64歳から75歳の、直近に退職した健康な成人369人を対象に調査を行った。 ■脚の筋力が長期にわたって維持 参加者は、1年間高負荷のレジスタンス運動を行うグループ、1年間中強度のトレーニングを行うグループ、1年間普段の運動に加えて特別な運動をしないグループのいずれかに無作為に振り分けられた。 高負荷のレジスタンス運動を行うグループの人たちは、重いウエイトを週に3回持ち上げた。中強度のトレーニンググループの人は、自重エクササイズやレジスタンスバンドを使ったサーキットトレーニングを週3回行った。研究開始時に骨と筋肉の強さ、体脂肪のレベルを測定し、1年後、2年後、4年後に再度測定した。研究終了時の平均年齢は71歳で、61%が女性であった。その結果、高負荷のレジスタンス運動を行ったグループでは、脚の筋力が長期にわたって維持されていたのに対し、何も運動を行わなかったグループや中程度トレーニングを行ったグループでは、筋力が低下していたことが明らかになった。 高負荷のレジスタンス運動グループで脚の強さが同じレベルに保たれたのは、おそらくレジスタンス運動に応じた神経系の変化によるものであろう、と研究者らは示唆した。この差は統計的に有意であったという。「この研究は、定年退職前後に高負荷のレジスタンス運動を行うことで、数年にわたる長期的な効果が期待できるという証拠を提供するものである。医師や政策立案者が高齢者に高負荷のレジスタンス運動に取り組むことを奨励する上で役立つものとなるだろう。」と、研究者らは結論付けている。 ■レジスタンス運動とは? レジスタンス運動とは、「筋肉を力に抵抗して働かせることで、筋力を向上させるエクササイズ」と考えることができ、その力とは、ウエイトや自分の体重を使うことができる。 「高齢者にとって、レジスタンス運動は筋肉量、骨密度、運動能力を維持するために非常に重要です。そして最近の研究によると、より重い重量を加えることが重要であるようです。」と、この研究の筆頭著者マッズ・ブロッホ=イベンフェルト氏は述べた。 出典 Weightlifting at retirement age keeps legs strong years later, study finds|The Guardian A new study shows that 1 year of this kind of exercise yields results 4 years later|CNN Health 文/HIDEMI
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